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特定新規設立法人の特例 消費税の仕組み


【目次】

1.特定新規設立法人の特例の内容

新設法人の設立1 期目又は設立2 期目については、資本金1,000万円以上の新設法人であれば新設法人の特例により課税事業者となります。

一方、資本金1,000万円未満の新設法人であればこの特例の適用対象とはなりませんので、原則として免税事業者となります。

しかし、平成26年4月1日以後に設立される資本金1,000万円未満の新設法人については、新たな特例が適用される場合があるので注意する必要です。

具体的には、資本金1,000万円未満の新設法人のうち、その課税売上高が5億円を超えるような大規模事業者( 個人を含みます。)にその発行済株式の50%超を保有されているもの(「特定新規設立法人」)については、その基準期間がない設立1期目及び設立2期目について納税義務が免除されないことになります。

2.特定新規設立法人とは

この特例の適用対象となるのは「特定新規設立法人」ですが、具体的には、次の要件を満たす新設法人が「特定新規設立法人」に該当します。

  1. その事業年度開始の日における資本金又は出資金が1,000万円未満であること
  2. その事業年度開始の日において特定要件(注1 )に該当すること
  3. その事業年度の基準期間相当期間における判定対象者(注2 )の課税売上高が5 億円を超えていること

(注1) 特定要件
他の個人又は法人によりその新設法人の発行済株式等の50%超を直接又は間接に保有される場合など他の個人又は法人によりその新設法人が支配される一定の場合をいいます。

(注2) 判定対象者
特定要件に該当するかどうかの判定の基礎となった他の個人又は法人及びこれらの者と完全支配関係にあるような法人のうちいずれかの者をいいます。

3.基準期間相当期間とは

基準期間相当期間とは、原則として、その新設法人の基準期間がない事業年度開始の日の2年前の応当日から同日以後1年以内に終了した判定対象者の年又は事業年度をいいます。

したがって、この期間における判定対象者の課税売上高が5億円を超えていれば、その段階でその新設法人は課税事業者となるわけですが、注意したいのは、この期間における課税売上高が5億円以下となった場合には、さらにその新設法人の事業年度開始の日の前日に至るまでに順次終了した判定対象者の年又は事業年度等で判定を行っていかなければならないということです。

4.基準期間相当期間における課税売上高

この特例の判定基準となる判定対象者の基準期間相当期間における課税売上高の算定方法については、基準期間における課税売上高又は特定期間における課税売上高の算定方法と基本的には同じです。

したがって、課税売上高には輸出免税売上高が含まれますが、非課税売上高や課税対象外収入は含まれません。

また、税抜の純課税売上高で判定しますから、基準期間相当期間が課税事業者の場合には税抜処理をし、返品、値引、割戻しなどの金額についてはこれをマイナスします。なお、税率引き上げ時には、やはり経過措置の適用があります。

ただし注意したいのは、基準期間相当期間における課税売上高は、原則として年換算後の金額となるのですが、特定期間と同様に、その6カ月の期間の末日からその新設法人の事業年度開始の日の前日までの期間が2 カ月未満の場合には,特定期間における課税売上高の算定と同様に、年換算を行わないことになります。

5.調整対象固定資産を取得した場合

平成26年4月1日以後に設立した資本金1,000万円未満の新設法人が特定新規設立法人に該当する場合、その基準期間のない設立1期目及び設立2期目については、強制的に課税事業者となります。

この場合、やはりその基準期間のない設立1期目又は設立2期目に調整対象固定資産を取得した場合には、その調整対象固定資産を取得した日の属する課税期間からその課税期間の初日以後3 年を経過する日の属する課税期間までの間は、強制的に課税事業者として拘束されます。

また、この期間中は、やはり原則として簡易課税制度の適用を受けることはできません。

6.特定新規設立法人の特例の適用時期

この改正は、平成26年4 月1 日以後に設立される法人について適用されます。

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