所轄税務署が変更になった場合の消費税還付への影響
1.所轄税務署が変更になった場合の消費税還付への影響
東京都北区赤羽の税理士 鈴木宏昌です。
会社の本店所在地が変更になった場合、所轄税務署についても変更となります。輸出業を営む法人で消費税還付を受けている法人・個人事業の方は、所轄税務署が変更となった場合には消費税還付のための審査がゼロからとまではいいませんが、一旦やり直しとなり、変更前の税務署に提出し変更前の税務署において把握してもらっていた事業内容についてリセットされるようですのでご注意ください。
2.輸出名義人が輸出代行業者になっている場合の対応
少額物品を郵便物として輸出する場合、20万円を超える物品であれば税関への輸出申告が必要になりますが、この場合は通関業者等から送付される輸出許可書を保存しておけば輸出免税の適用を受けることができます。
しかし、郵便物の価額が20万円以下の場合は、税関へ輸出申告をする必要がないため輸出許可書を取得すことができません。このような場合は、EMSの控えなどを消費税の申告期限から7年間保存しておくことを条件として、輸出免税の適用が受けることができます。
モノを海外に運ぶにあたり、輸出代行業者を利用する場合が多くあります。輸出代行業者を利用する場合で注意していただきたいのが、上記の輸出許可書やEMSの控えの輸出人の名前が輸出代行業者の名前が記載されることがあります。
このような場合には輸出免税不適用連絡一覧表を作成し、輸出代行業者に交付するようにしましょう。そうすれば、輸出代行業者は名義を貸しているだけであり、実際の輸出者はこちらであるという証明をすることができます。
最近本店所在地を移転し、所轄税務署を変更になったお客様が弊所顧問先でいるのですが、昨年2018年に税務調査が行われたばかりで上記輸出人の論点は税務署に説明済み、書類交付済みであったにもかかわらず、移転先の税務署には改めて輸出免税不適用連絡一覧表の提出を求められました。
税務署同士では当然情報は共有していると思われますが、輸出により消費税還付を受けている会社については本店所在地変更により所轄税務署が変更となった場合、還付のための審査もやりなおしとなる可能性がありますので、輸出代行業者を使っている場合などは特に注意するようにしましょう。
輸出事業を行っている法人、個人の方で消費税還付にお困りの法人は一度ご相談いただけますと幸いです。