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仕入れに係る対価の返還等を受けた場合 消費税の仕組み


【目次】

課税事業者が課税仕入れにつき、返品をし、又は値引き若しくは割戻しを受けたことにより対価の返還等を受けた場合には、その対価の返還等を受けた日の属する課税期間における課税仕入れ等の税額の合計額から、その課税期間における対価の返還等を受けた金額に係る消費税の合計額を控除した残額をその課税期間の課税仕入れ等の税額の合計額とみなして仕入税額控除の計算をします。

なお、この場合において、控除しきれない金額があるときは、課税標準額に対する消費税額に加算します。

また、事業者が保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税額の全部又は一部につき他の法律の規定により還付を受ける場合にも、同様に計算をします。

1.計算方法

仕入れに係る対価の返還等に係る消費税額=仕入れに係る対価の返還等の金額(税込み)×4/105(又は6.3/108)


1-1.課税売上割合が95%以上の場合

控除する消費税額=課税仕入れ等に係る消費税額ー仕入れに係る対価の返還等に係る消費税額


1-2.課税売上割合が95%未満の場合

個別対応方式 A+B

課税売上にのみ要する課税仕入れ等に係る消費税額 ー 課税売上げにのみ要する仕入れに係る対価の返還等に係る消費税額 = A

共通仕入×課税売上割合 ー 共通対応の仕入れに係る対価の返還等に係る消費税額×課税売上割合 = B

一括比例配分方式

課税仕入等に係る消費税額×課税売上割合 ー 仕入れに係る対価の返還等に係る消費税額×課税売上割合 


2.仕入れに係る対価の返還等の範囲

仕入れに係る対価の返還等には、仕入返品、値引き、割戻しの他、次のようなものも該当します。

販売奨励金等事業者が販売促進の目的で取引先から金銭により支払を受けるもの
事業分量配当金協同組合等から支払を受ける事業分量配当金のうち販売分量等に応じて支払を受けるもの
船舶の早出料海上運送業者から船舶による運送に関連して支払を受ける早出料
仕入割引仕入対価を支払期日より前に支払ったこと等に基因して支払を受けるもの
債務免除債務免除は、買掛金その他の債務について受けたものであっても仕入れに係る対価の返還等には該当しません。
輸入品に係る仕入割戻し課税貨物の購入に係る割戻しは、仕入れに係る対価の返還等に該当しません。
ただし、保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税額につき還付を受けた場合には、仕入れに係る対価の返還等の適用があります。


3.免税事業者であった課税期間に行った課税仕入れに係る対価の返還等

免税事業者であった課税期間に行った課税仕入れについて、課税事業者となった課税期間において仕入れに係る対価の返還等を受けた場合には、この仕入れに係る対価の返還等の適用はありません。

ただし、免税事業者が課税事業者になった場合の棚卸資産に係る消費税額の調整を受けた棚卸資産の課税仕入れについては、控除することができます。

4.仕入れに係る対価の返還等の処理

事業者が課税仕入れにつき、返品をし、又は値引きもしくは割戻しを受けた場合に、その課税仕入れの金額から返品額又は値引額もしくは割戻額を控除する経理処理を継続しているときはこれが認められます。

5.対価の返還等に係る消費税額の控除不足額

仕入れに係る対価の返還等を受けた金額に係る消費税額の合計額を、その仕入れに係る対価の返還等を受けた日の課税期間の課税仕入れの税額から控除してしきれない金額があるときは、その控除しきれない金額を、課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなして課税標準額に対する消費税額に加算することになります。

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