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課税売上割合が著しく変動した場合 消費税の仕組み


【目次】

1.課税売上割合が著しく変動した場合とは

事業者が国内において、調整対象固定資産の課税仕入れを行い又は調整対象固定資産に該当する課税貨物を保税地域から引き取り、かつ、その課税仕入れ等の税額につき、比例配分法により仕入れに係る消費税額を計算した場合において、その課税事業者が第3年度の課税期間の末日においてその調整対象固定資産を有しており、かつ、第3年度の課税期間における通算課税売上割合が著しく変動しているときは、その取得後3年を経過する日の課税期間において、次の通算課税売上割合により計算した金額と控除した金額との差額を仕入れに係る消費税額に加算又は控除する調整を行います。

加算する場合の金額=調整対象基準税額 × 通算課税売上割合 - 調整対象基準税額 × 当初の課税売上割合

控除する場合の金額=調整対象基準税額 × 当初の課税売上割合 - 調整対象基準税額 × 通算課税売上割合

2.比例配分法とは

比例配分法により計算した場合とは、次のものをいいます。

・個別対応方式のうち、課税・非課税に共通するものに課税売上割合を乗じて計算する方法

・一括比例配分方式により計算する方法

3.第3年度の課税期間

第3年度の課税期間とは、仕入れ等の課税期間の開始の日から3年を経過する日の属する課税期間をいいます。

したがって、例えば設立事業年度のようにその事業年度が1年に満たない場合に調整対象固定資産を取得したというような場合には、翌々期が第3年度にならず、第4期が第3年度になるということもあるので注意が必要です。

4.通算課税売上割合

通算課税売上割合とは、仕入れ等の課税期間から第3年度の課税期間(通算課税期間)までの各課税期間において、適用されるべき課税売上割合を通算した割合をいいます。

ただし、課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用している場合には、次の割合が通算課税売上割合となります。

4-1.3年間継続して課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用している場合

各課税期間の割合を通算した割合

4-2.3年間のいずれかの課税期間において課税売上割合に準ずる合理的な割合を適用していない場合

それぞれの課税期間において適用した課税売上割合又は課税売上割合に準ずる合理的な割合を合計して3で除した割合

5.調整対象基準税額

調整対象基準税額とは、第3年度の課税期間の末日において保有している調整対象固定資産の課税仕入れに係る消費税額又は調整対象固定資産である課税貨物に係る消費税額をいいます。

6.著しく変動した場合とは

著しく変動した場合には、著しく増加した場合と著しく減少した場合とがあり、それぞれ次の場合をいいます。

6-1.著しく増加した場合

通算課税売上割合ー(A) / 仕入れ等の課税期間の課税売上割合(A)≧50%

かつ

通算課税売上割合ー(A)≧5%

(注)仕入れ等の課税期間において課税売上割合がなく、仕入れ等の課税期間の翌課税期間から第3年度の課税期間までの期間においては課税売上げがある場合においては、通算課税売上割合が5%以上であれば、著しく増加した場合に該当することとされます。

6-2.著しく減少した場合

(A)ー通算課税売上割合 / 仕入れ等の課税期間の課税売上割合(A)≧50%

かつ

(A)ー通算課税売上割合≧5%


7.途中で免税事業者となった場合

この取扱いは、仕入れ等の課税期間と第3年度との間に免税事業者になった課税期間及び簡易課税制度の適用を受けた課税期間が含まれている場合にも適用されます。

この場合には、免税事業者であった課税期間及び簡易課税制度の適用を受けた課税期間における資産の譲渡等の対価の額及び課税資産の譲渡等の対価の額は、通算課税売上割合の計算の基礎となる金額に含まれることとなります。

8.除却、滅失等の場合

調整対象固定資産について除却、廃棄、滅失又は譲渡をしたため、第3年度の課税期間の末日において有していない場合は、この取扱いは適用されません。

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