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従業員持株会に譲渡した株式を買い戻す


【目次】

1.従業員持株会に譲渡した株式を買い戻す

従業員持株会に譲渡した株式を従業員が会社を退職するにあたり、会社がその株式を買取る場合の取り扱いについて解説いたします。

相続税,贈与税の課税価格計算する場合の取引相場のない株式の価額は,会社の規模に応じて,

  • 大会社は類似業種比準価額方式
  • 中会社と小会社は類似業種比凖価額方式と1株当たりの純資産価額方式の併用方式

により評価するのを原則としています。

しかし,同族会社の株主であっても,その会社の中でほんの少ししか株式を所有していない場合の,その株主が所有している株式を原則どおりの方式によって評価することになりますと,100株や500株の評価についてまで非常な手数をかけて評価しなければならなくなることのほか,会社に対して支配権や影響力をほとんど持たないで,単に配当を受け取ることのみを目的として株式を所有している少数の株主と支配権を有する同族株主とを同様に取り扱うことになって,実情にそぐわない結果が生ずることなどから,特定の少数株主については,例外的な評価方法として配当還元方式により評価することが認められています。

したがって,同族株主のいる会社の同族株主以外の株主が取得する株式については,上記の評価方式のうち,原則的評価方法によらず,配当還元方式によって評価した金額をもって,相続税又は贈与税の課税価格の計算の基礎とすることができるものとされています。

資産を著しく低い価額の対価で譲り受けた場合には,その資産を譲り受けた者は,その譲り受けた時におけるその資産の時価と対価との差額に相当する金額を,その資産の譲渡者から贈与により取得したものとみなして贈与税の課税の対象とすることとされています。

従業員の退職に際して,その従業員から個人がその会社の株式を譲り受けることがありますが、このようなときは,その譲受けの対価の額が時価に比して著しく低額であれぱ,その株式の譲渡者から譲受者に対してその株式の時価と対価との差額に相当する金額の贈与があったものとみなされて,贈与税の課税の対象とされます。

この場合に,その株式を譲り受ける者が同族株主のいる会社の同族株主以外の株主であれば,配当還元方式によって評価した金額によって売買しても,時価による売買に該当しますので贈与税が課税されることはありません。

しかし,その株式を譲り受ける者が一定の中心的な同族株主等に該当する者である場合には,その者は原則的評価方法 1株当たりの純資産価額方式と類似業種比準価額方式の併用によって評価する方式)により評価した金額と対価との差額に相当する金額)を贈与により取得したものとみなされて,贈与税が課税されることになります。

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