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課税時期直前に取得した土地等又は建物等がある場合の純資産価額の計算 その3


目次

1.直前期末に取得した3年以内に取得した土地等及び建物等の範囲

評価会社が所有する各資産を評価する場合、その資産の中に、課税時期前3年以内に取得又は新築した土地等又は建物等があるときは「通常の取引価額」に相当する金額によって評価することとなります。

純資産価額を求める場合には、課税時期現在における評価会社の資産及び負債に基づき計算するのが原則ですが、直前期末から課税時期までの間に資産及び負債の金額について著しく増減がないと認められる場合には、直前期末現在の資産及び負債を基として評価できることとされています。

これは、課税時期における仮決算を組むのが煩雑であるため、課税上弊害がない範囲で、直前期末の資産等を課税時期現在の資産等に置き換えることを認めた取扱いであり、直前期末を課税時期とみなしているものではありません。

したがって、評価会社の有する土地等及び建物等が3年以内に取得したものかどうかの判定は、直前期末の資産等を基に評価する場合であっても、課税時期からさかのぼって判定すればよいことになります。



2.課税時期前3年以内に取得した土地等及び建物等を賃貸した場合

相続開始前3年以内に土地・建物等を取得し、その不動産を賃貸の用に供している場合にはどのように評価するのでしょうか。

純資産価額の計算において、評価会社が課税時期前3年以内に取得等した土地等及び建物等を取得後、賃貸の用に供した場合には、その土地等及び建物等の課税時期における通常の取引価額を基礎として評価通達26《貸家建付地の評価》及び評価通達93《貸家の評価》に定める評価方法に準じて評価することとなります。

貸家建付地の評価
自用地価額 × (1-借地権割合×借家権割合)

貸家の評価
自用地価額 × (1-借家権割合)

課税時期前3年以内に取得した土地等及び建物等の価額は、課税時期における通常の取引価額により評価すると定められていますが、これは、課税時期の直前に取得し、「時価」が明らかになっている土地等及び建物等について、わざわざ路線価等によって評価替えを行うことは、「時価」の算定上適切でないと考えられること等によるものであります。

ですから土地、建物の取得(新築)後、建物を賃貸の用に供したため、取得時の利用区分(自用の建物、自用地)と課税時期の利用区分(貸家、貸家建付地)が異なることとなり、その取得価額等から、課税時期における通常の取引価額を算定することが困難である貸家及び貸家建付地の価額については、まず、その貸家及び貸家建付地が自用の建物及び自用地であるとした場合の課税時期における通常の取引価額を求め、次にその価額を評価通達93《貸家の評価》及び評価通達26《貸家建付地の評価》の定めに準じて減額して評価します。

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