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純資産価額方式とは


目次

1.純資産価額方式とは

「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」は、課税時期における各資産を評価通達に定めるところにより評価した価額(※)の合計額から課税時期における各負債の金額の合計額及び186-2《評価差額に対する法人税額等に相当する金額により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した金額を課税時期における発行済株式数で除して計算した金額とします。

ただし、 1株当たりの純資産価類(相続税評価額によって計算した金額)については、株式の取得者とその同族関係者の有する議決権の合計数が評価会社の議決権総数の50%以下である場合においては、上記により計算した 1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)に100分の80を乗じて計算した金額となります。

小会社の中には、一族支配というものは'かりでなく、複数の同族関係者グループにより会社経営を行っている会社もあり、一同族株主グループの所有株式数だけでは、会社を完全支配できません。

そこで、単独の同族関係者グループが会社に対する支配力を持っている場合とそうでない場合とでは、支配力に差があるものと認められますので、議決権割合の50%以下である同族関係者グループに属する株主の取得した株式については、 20%の評価減を行うこととされているのです。

なお、この評価減は、同族株主がいない会社の株主が取得した株式を純資産価額方式により評価する場合にも適用されます

この評価減は、中会社の株式評価の際の併用方式に係る純資産価額方式の部分にも適用されますが、これは、中会社は大会社と小会社との要索を兼ね備えた会社であるという点から、評価会社の大きさの程度に応じて純資産価額方式による評価額を取り込むこととしているので、その取り込まれた部分について評価減を行うこととしています。


2.法人税等相当額とは

小会社の株式であっても株式である以上は、株主が株式の所有を通じて問接的に会社資産を所有することとなっているわけですから、個人事業主がその事業用財産を直接所有するのとは所有形態が異なります。

事業用財産の所有形態を個人から法人にすることによって、経済的実質に差がある場合は、その差を考慮(斟酌)する必要があります。
そこで、評価会社の資産・負債を相続税評価額等に評価替えすることによって生ずる評価差額に相当する金額を法人税法に規定する清算所得に相当する金額として、それに対する法人税額等に相当する金額を評価会社の純資産価額の計算上控除することとされています。

ただし、評価会社が取引相場のない株式(出資及び転換社債型新株予約権付社債を含みます。)を所有している場合において、評価会社の株式の評価額を計算する際に、所有するその取引相場のない株式の1株当たりの純資産価額を計算するときには、その取引相場のない株式の発行会社の資産の評価差額に対する法人税額等相当額の控除は適用しません。

(注) 1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)の計算を行う場合の「発行済株式数」は、直前期末ではなく、課税時期における発行済株式数です。

(注) 上記の「議決権の合計数」及び「議決権総数」には、188-5 《種類株式がある場合の議決権総数等の「株主総会の一部の事項について議決権を行使できない株式に係る議決権の数」を含めます。

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