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類似業種比準価額の1株当たりの利益金額Cの計算の注意点


前期末以前1年間において事業年度の変更をしている場合などの類似業種比準価額の1株当たりの利益金額Cの計算の注意点について解説しています。

目次

1.前期末以前1年間において事業年度の変更をしている場合

評価会社が直前期末から事業年度の変更をしたような場合、直前期末以前1年問に対応する利益金額は、直接算出することはできません。

そこで、このような場合には、直前期末に終了した事業年度(例えば10か月とします)の利益金額に、前記のうちの2 か月間の利益金額を加算して計算することとなります。

この場合、会社が月次決算を行っているときには、合理的に2か月問の利益金額を算出できますが、月次決算を行っていないときには、課税上の弊害がない限り、直前々期末に終了した事業年度(12か月)の利益金額のうちの6分の1に相当する金額を加算して計算します。これを加算しないと利益金額が少なくなり、株価の操作が可能となってしまうからです。


2.固定資産の譲渡が同じ事業年度に何度もある場合

法人税の課税所得金額から固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額は除外することとされていますが、固定資産の譲渡が期中に数回あり、個々の譲渡に売却益と売却損が発生することがあります。

「1株当たりの利益金額(C)」の計算の際に、非経常的な利益の金額を除外することとしているのは、評価会社に臨時偶発的に生じた収益力を排除し、評価会社の営む事業に基づく経常的な収益力を株式の価額に反映させるためです。

この場合の非経常的な利益とは、臨時偶発的に生じた個々の利益をいうものではなく、課税時期の直前期末以前1年間における利益のうちの非経常的な利益の相対を指しています。ですから、個々の譲渡の損益を通算し、利益の金額があればこれを除外して計算することとなります。


3.種類の異なる非経常的な損益がある場合

種類の異なる非経常的な損益が同一事業年度に発生することがあります。(例えば、固定資産売却損と保険差益がある場合等)

この場合、これらを通算(負数となる場合は0)して類似業種比準価額の利益金額を計算することとなります。


4.継続的に有価証券売却益がある場合

課税時期の直前期以前の相当の期間にわたり継続して評価会社に有価証券売却益が発生している場合などがありますが、その有価証券売却益は、非経常的な利益の金額といえるのかどうかということが類似業種比準価額の利益金額を算定する上で問題となります。

「1株当たりの利益金額(C)」の計算に際し、ある利益が、経常的な利益又は非経常的な利益のいずれに該当するかは、評価会社の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮し、個別に判定することとされていますので、慎重に判断するようにしてください。

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