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1株当たりの利益金額Cの判定
目次
1.1株当たりの利益金額Cの判定
Cは、評価会社の直前期末以前1年間における法人税の課税所得金額にの金額の中に固定資産売却益、保険差益等の非経常的な利益の金額が含まれている場には、その金額を除きます。)に、その所得の計算上益金に算入されなかった剰余金の配当(資本金等の額の減少によるものを除きます。)等の金額(所得税額に相当する金額を除きます。)及び損金に算入された繰越欠損金の控除額を加算した金額(その金額が負数のときは0とします。)を、直前期末における発行済株式数で除して計算した金額です(円未満の端数は切り捨てます。)。
なお、発行済株式数は直前期末における資本金等の額を50円で除して計算した数となります。
ただし、納税義務者の選択により直前期末以前2年問における各年の所得金額について、上記に準じて計算した金額の合計額(その合計額が負数のときは、0とします。)の2分の1に相当する金額を直前期末における発行済株式数で除して計算した金額によることができます。
これは、評価会社における課税時期の直前期末以前1年問の利益金額が評価会社の個別事情により、その前年の利益金額を大きく上回ることとなる場合には、評価上その利益金額の比準割合が妥当性を欠くこととなるので、評価の安全性を考慮したものです。
算式
(法人税の課税所得の金額+受取配当等の益金不算入額+損金算入繰越欠損金の控除額)÷1株あたりの資本金の額を50円とした場合の発行済株式
※1 資本金等の額の減少によるものを除きます。
※2 所得税額に相当する金額を除きます。
(注)直前期末以前2年間の利益金額を基とする場合には、算式中の()内の金額は、直前期末以前2年間における各年の利益金額の合計額の2分の1に相当する金額となります。
2.注意点
- 非経常的利益の明確な定義はないのですが、そもそも1株当たりの利益は臨時、偶発的な利益を排除し本来の事業活動に基づく経常的な収益力を求めていますので、経常的利益か非経常的利益かの判定に当たっては、評価会社の事業の内容、その利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性または臨時偶発性等を考慮し、個別に判定します。
- 非経常的利益の代表例は、
- 固定資産売却益
- 保険差益
- 法人税法所定の退職給与引当金戻入益
などです。
- 非経常的利益か否か迷う例は、
- 有価証券売却益
- 前期損益修正益
- 受贈益
などがあります。
- 固定資産の譲渡が数回ある場合は、個々の譲渡の損益を通算し、差引利益となればこれを除外します。
- 有価証券売却益は本来臨時利益になると思われますが、課税時期の直前期以前相当期間にわたり継続して評価会社に有価証券売却益がある時は、それは非経常的利益にならないと考えられます。
- 種類の異なる非経常的な利益と損失の両方がある場合は、益のみを除外するのでなく益と損を通算して、差引利益となればこれを除外します。
- 非経常的利益から非経常的損失を差引した額が負の数となる場合は、マイナスとせず0とします。
- 事業年度を変更した場合、課税時期の直前期末以前1年間の期間按分等をして計算します。
- 受取配当金の益金不算入額、これに対応する所得税額、損金算入した繰越欠損金の控除額の金額は法人税申告書別表より移記します。
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