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株主区分の判定~株主及び評価方式の区分の判定


目次

1.株主及び評価方式の区分の判定

取引相場のない株式を評価する場合における株主及び評価方式の区分は、相続前の議決権数で判定するのですか、それとも相続後の議決権数で判定するのか悩むところです。

相続税及び贈与税は、相続(遺贈を含みます。)又は贈与によって財産を取得した者に対して課税される取得者課税の方式です。

取引相場のない株式を評価する場合においても、この取得者課税の原則により、

  • 評価会社に同族株主がいるかどうか
  • 株式の取得者は同族株主であるかどうか
  • 株式の取得者の議決権割合はいくらであるか

上記の判定は、すべて取得後の議決権数により行うことになっています。相続による株式取得前の議決権数ではありませんので、ご注意ください。

株式を贈与するような場合に、株式評価を行う場合の同族株主等の判定は贈与者、受贈者いずれの側で行うかですが、相続税の計算の場合と同様、取得後の議決権割合に応じて取得者を中心にしてみたときのその株式の価額を評価することになります。

同族株主のいる会社で、かっ中心的な同族株主がいる場合に、同族株主のうちの中心的な同族株主以外の株主で、議決権割合が5%未満、かつ、役員以外の者の有する株式については、特例的評価方法である配当還元方式によって評価することになります。



2.遺産が未分割である場合の非上場株式の議決権割合の判定

相続税の申告期限までに、遺産の分割協議が整わないため、未分割遺産を法定相続分により取得したものとして相続税の申告をしなければならない場合があります。

その未分割遺産の中に、非上場株式がある場合、「同族株主等」や「中心的な同族株主」あるいは「少数株式所有者」の判定の基礎となる各株主の「取得後の議決権数」はどう判定するのかについて解説いたします。

相続又は遺贈により株式を取得した場合、相続税の申告書を提出する際にその株式が共同相続人間で分割されていないときは、納税義務者が従前から所有していた株式数と相続又は遺贈により取得した未分割株式について、納税義務者である相続人又は包括受遺者が未分割である株式数のすべてを取得したものとして各相続人の取得後の議決権数を判定することになります。

これは遺産未分割の状態は、遺産の分割により具体的に相続財産を取得するまでの間の暫定的な状態であり、将来、各相続人等がその法定相続分等に応じて取得するとは限らないので、その納税義務者につき特例的評価方式を用いることが相当か否かの判定は、その納税義務者がその株式の全部を取得するものとして行う必要があるためです。

特例的評価方式である配当還元方式で評価できれば、相続税は少なくなるのですが、遺産が未分割の状態だと全部を取得したものと仮定して計算するので、配当還元方式が使えない場合があります。

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