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土地保有特定会社の株式
目次
1.土地保有特定会社の株式
会社の資産構成が、類似業種比準方式における標本会社(上場会社)に比して著しく土地に偏っている会社がありますが、このような会社の株価は、その保有する土地の価値に依存する割合が高いものと考えられますので、一般の評価会社に適用される類似業種比準方式を適用して適正な株価の算定を行うことは難しいとの考え方が適用されます。
そこで、課税時期における評価会社の総資産に占める土地等(土地と土地の上に存する権利)の保有割合が次の基準に該当する会社を「土地保有特定会社」とし、その株式の評価は、原則として、その資産価値をより良く反映し得る純資産価額方式により評価することとされています。
計算式
課税時期における1株当たりの純資産価額(相続税評価額:80%評価可)
総資産価額(相続税評価額によって計算した金額)ー 負債の金額+評価差額に対する法人税額等相当額 ÷ 課税時期における発行済株式数
2.少数株主が取得した場合
ただし、同族株主等以外の株主等(いわゆる少数株主)が取得した株式については、配当還元方式によって評価することとされています。
なお、評価会社が、士地保有特定会社に該当する会社であるか否かを判定する場合において、課税時期前において合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動があり、その変動が士地保有特定会社に該当する会社であると判定されることを免れるためのものと認められる場合には、その変動はなかったものとしてその判定を行うこととされています。
3.判定の基礎となる土地等の範囲
土地保有特定会社の株式に該当するか否かの判定の基礎となる評価会社が所有する土地等とは、「土地及び上地の上に存する権利」をいい、所有目的や所有期間のいかんにかかわらず、評価会社が所有する全ての土地等が対象となりますので、地上権、借地権、たな卸資産の士地等も含まれることになります。
なお、たな卸資産である土地等の評価にあたっては、財産評価基本通達に規定するたな卸資産としての評価方法により計算することになります。
4.土地保有特定会社に該当する場合の対策
土地保有特定会社に該当する場合には、会社規模を小さくできないかを検討します。
また、資産内容を組み替えるなどの対策も考えられます。
5.注意点
- 評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した上地等又は家屋等を有する場合並びに評価会社が取引相場のない株式等を保有する場合(評基通186ー3)の取扱いが適用されます。
- 同族株主等以外の株主等(いわゆる少数株主)が取得した株式については、配当還元方式によって評価することとされています。
- 配当還元方式によって評価した価額(配当還元価額)が、課税時期における1株当たりの純資産価額を超える場合には、その純資産価額によることになります。
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Tag: 取引相場のない株式の評価
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