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営業権の評価方法
相続税、贈与税の財産評価で営業権の評価をする場合の評価方法について解説しています。
目次
1.営業権の評価方法
営業権は、その事業の超過収益力といわれるもので、のれんとか老舗といわれる事業財産の1つです。
営業権の実態を超過収益力と考えると、営業権の価額はそれを資本還元した価額により評価することとなります。
そこで、相続税・贈与税の財産評価では、超過利益金額に営業権の持続年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率を乗じた価額により営業権を評価することとしています。
2.営業権の計算式
算式
超過利益金額=平均利益金額×0.5-企業者報酬の額-総資産価額×基準年利率
算式
営業権の価額=超過利益金額×持続年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率
3.平均利益金額とは
平均利益金額は、下記の方法により計算します。
3-1.前年分の所得金額を基礎とする金額
事業所得の金額+非経常的損益の額+支払利子及び割引料の額+青色専従者給与の額(法人は損金算入役員給与額)+準備金または引当金繰入額=A
3-2.前々年分の所得金額を基礎とする金額
事業所得の金額+非経常的損益の額+支払利子及び割引料の額+青色専従者給与の額(法人は損金算入役員給与額)+準備金または引当金繰入額=B
3-3.前々々年分の所得金額を基礎とする金額
事業所得の金額+非経常的損益の額+支払利子及び割引料の額+青色専従者給与の額(法人は損金算入役員給与額)+準備金または引当金繰入額=C
3-4.平均利益金額
A+B+C=平均利益金額
4.企業者報酬の額とは
5.純資産価額とは
総資産価額は、企業の総資産を財産評価基本通達により評価した価額によります。
次の営業権については、相続税又は贈与税の課税価格に算入しませんのでご注意ください。
①超過利益金額が5万円未満の企業の営業権
②平均利益金額が200万円未満の企業の営業権
③開業後10年(他人よりその企業を継続した場合は、その他人の営業期間を通算して10年とする。)に満たない企業の営業権
④医師、弁護士のように,その者の技術、手腕又は才能等を主とする事業で、その事業者の死亡とともに消滅すると認められるものの営業権