トップ > 相続の教科書 > 財産の評価 > 市街化調整区域の雑種地の評価
市街化調整区域の雑種地の評価
目次
1.雑種地とは
雑種地とは、宅地から原野までの地目のいずれにも該当しない土地のことをいい、例えば、遊園地、運動場、ゴルフ場、競馬場、飛行場、プール、変電所敷地、テニスコート、鉄塔敷地、水路敷地、坑口、やぐら敷地、煙道敷地、木場(木ぼり)、鉄軌道用地等があります。
2.市街化調整区域の雑種地の評価
雑種地の価額は、その雑種地と状況が類似する付近の土地について財産評価基本通達により評価した l㎡当たりの価額を基とし、その土地と雑種地との位置、形状等の条件を考慮して評定した価額にその雑種地の地積を乗じて評価しますが、調整区域に所在する雑種地は、状況が類似する付近の土地としてどのような地目の土地を選択すれば適正な評価額が算定できるのか、また雑種地との位置、形状等の条件の差を考慮した斟酌をどのようにするばよいのか悩むところです。
そこで、比準地目の判定は、その土地の最有効使用が周辺の標準的な使用(地目)の影響を受けることから評価対象地の周囲の状況を考慮して判定します。
一方、斟酌割合(これを減価率といいます)については、市街化の影響度を強く受ける地域では割合は低くなり、反対にその影響度が低い地域では高くなります。
さらに雑種地の利用状況から見た場合、駐車場、資材置場又はテニスコートなど様々な利用が可能な有効利用度が高い雑種地ほど低くなる傾向があります。
家屋の建築が全くできない場合の減価率は50%又は借地権割合のいずれか高い割合とし、家屋の構造、用途等に制限を受ける場合の減価率は30%とされています。
3.雑種地の周囲が純農地等の場合
評価対象地である雑種地の周囲が純農地、純山林、純原野である場合に、これらの土地は各々宅地化の期待益を含みませんので、その雑種地を評価する場合、付近の宅地の価額を基とするのではなく、付近の純農地、純山林又は純原野の価額を基として評価します。
4.雑種地が幹線道路沿い等の場合
評価対象地である雑種地が幹線道路沿いや市街化区域との境界付近に所在する場合、その付近に宅地が存在していることも多く、用途制限等があるにしても宅地化の可能性がありますので、その雑種地を評価する場合、付近の宅地の価額を基として評価します。
5.4.5.以外の地域
上記4.5.以外の地域は、雑種地の所在する場所により周囲の状況が様々ですので、一律に比準地目を定めることは難しいので、周囲の状況により個別に判定します。