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容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価
目次
1.容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価
路線価方式において、路線価は建築基準法により容積率が面的な広がりをもって指定されている関係上、その地域における容積率を反映して設定されています。
しかし、l街区の全部が同一の容積率でない場合、例えば表通りに接する地域は商業地域で、裏通りは住居地域であるように、評価対象地である1画地が両方の地域にまたがる場合には、その容積率の違いが路線価方式による評価額に反映しません。
ビル街地区においては、街区を単位として容積率が定められているため、容積率の差を考慮する必要がないことから、ビル街地区の影響度は定められていません。
そこで、この容積率を評価に反映させるために、容積率(建築基準法第52条((容積率))
に規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいいます。)の異なる2以上の地域にわたる宅地の価額は、がけ地補正までの規定を適用して評価した価額から、その価額に次の算式により計算した割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価します。
(1-容積率の異なる部分の各区部分に適用される容積率にその部分の面積を乗じた数値の合計÷正面路線に接する部分の容積率×宅地の総地積)×容積率が価額に及ぼす影響度
※小数点第3位未満四捨五入
2.正面路線に接する容積率と異なる容積率の部分がない場合
1画地の宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上であるが、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がない場合には、容積率の格差による減額調整を行いません。
その宅地の正面路線に接する部分の容積率が2以上である場合で、その正面路線に接する部分の容積率と異なる容積率の部分がある場合には、異なる容積率の部分との違いによる減額調整を行います。
3.裏面路線を正面路線とする場合
容積率による減額調整を行う場合で、正面路線に対して容積率補正による減額調整率を適用した価額が裏面路線に対して奥行価格補正率を適用した価額を下回るときには、裏面路線を正面路線として計算することとなっていますので注意しましょう。
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