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温泉権が設定されている鉱泉地の評価
目次
1.温泉権が設定されている鉱泉地の評価
温泉がゆう出する土地の評価は、鉱泉地として、その土地自体の価値とその土地からゆう出する温泉自体の価値とを一体として評価することになります。
温泉権は、温泉のゆう出口を構成する土地あっての温泉ですが、必ずしもその基礎となる土地を所有する必要はなく、土地の所有権と切り離したものとされています。
2.自分の土地に温泉権を有する場合
自分の土地に温泉権を有する場合には、土地と温泉とを分離して評価せず、温泉のある土地として、温泉権と土地の所有権とを一体化した鉱泉地という考え方にもとづき評価します。
3.他人の土地に温泉権を有する場合
他人の土地に温泉権を有する場合、その温泉権には土地に対する権利は関係がなく、そのような権利として取引の対象になりえますが、他人の土地に温泉権を取得した場合、その権利を享受するため、付随的にその土地の所有者との間に、何らかの土地を利用するための権利関係がともないます。
現実に取引されている温泉権の売買では、この付随的な利用上の権利も含まれていることが一般的です。
その付随的な土地の利用関係としては、地上権の場合、賃借権の場合、地役権の場合など色々のものがあります。
したがって、評価上の取扱いとしては、温泉権の価額は、他人の土地に温泉権を所有している場合のその土地に対する利用の関係(「設定の条件」)に応じて、売買実例価額、精通者意見価格等を参しゃくして評価することになります。
4.温泉権の評価
温泉権の価額は、その温泉権の設定条件に応じ、温泉権の売買実例価額、精通者意見価格等を参しゃくして評価します。
5.引湯権の評価
引湯権の価類は、鉱泉地の価類又は温泉権の価額にその鉱泉地のゆう出量に対するその引湯権に係る分湯権の割合を乗じて求めた価額を基とし、その価額から引湯の条件に応じその価額の100分の30の範囲内において相当と認める金額を控除した価額によって評価します。