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生産緑地の評価

目次

1.生産緑地とは

市街化区域内にある農地等のうち、公害又は災害の防止に効果があり、公共施設等の敷地の用に供する土地として適している一団の区域は、その農地等の所有権者等の同意を得て、都市計画法及び生産緑地法の規定に基づき生産緑地地区に指定されます。

市街化区域内にある農地等が生産緑地地区に指定されると、その地区内にある農地等、つまり生産緑地は建築物の新築、宅地造成などを行う場合には、市町村長の許可が必要となり、更にこの許可は、農産物の生産集荷施設や市民農園に係る施設等を設置する場合以外は、原則として下りませんので、生産緑地地区に指定されると農地等以外の利用は原則的にできません。

このように、生産緑地については30年間建築物の制限などの行為の制限が付されています。

また、生産緑地法には「買取りの申出」制度があり、その生産緑地に係る指定の告示の日から起算して30年を経過したとき又はその告示後に農林漁業の主たる従事者が死亡した場合などには、生産緑地の所有者は、市町村長に対してその生産緑地を時価で買いとるべき旨を申し出ることができます。

これにより買取りの申出を行った生産緑地は、買取りの申出の日から起算して3か月以内にその生産緑地の所有権が移転しない場合には、生産緑地に係る行為の制限は解除されます。

したがって、生産緑地には、建築物の新築、宅地造成などの行為制限が付されているものとその付されていた制限が解除されているものとがあります。


2.買取りの申出をすることができない生産緑地

買取りの申出をすることができない生産緑地は次のように評価します。

生産緑地でないとした場合の評価額×次の割合=生産緑地の評価額

課税時期から買取りの申出をすることができることとなる日までの期間割合
5年以下10%
5年超10年以下15%
10年超15年以下20%
15年超20年以下25%
20年超25年以下30%
25年超30年以下35%



3.買取の申出が課税時期において行われていた生産緑地又は申出をすることができる生産緑地の割合

5%

なお、生産緑地の指定を受けている場合でも、生産緑地が市街化区域に所在しその価額が宅地であるとした場合の価額を基として評価していることとの関係から、広大地補正率を適用して算定した価額をその生産緑地が「宅地であるとした場合の価額」として適用することができます。

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