トップ > 相続の教科書 > 財産の評価 > 貸宅地の評価~地上権の目的となっている宅地
貸宅地の評価~地上権の目的となっている宅地
目次
1.貸宅地の評価方法
財産評価評価基本通達には土地の上に存する権利のうち、宅地の上に存する権利としては、普通借地権、定期借地権等、地上権、区分地上権及び区分地上権に準ずる地役権の5種類を定めています。
これらの権利が設定されている宅地については、これらの権利の価額に相当する価額の減価が生じているという考え方から、その宅地の自用地の価額から設定されている権利の価額を控除して評価することになります。(権利が設定されていない宅地=自用地評価額よりは評価額が低くなります。)
借地権、地上権等の目的となっている宅地(貸宅地といいます。)の価額は、その宅地の自用地価額から借地権の価額,地上権等の価額を控除した価額です。
計算式
自用地価額-土地の上に存する権利の価額=貸宅地の価額
2.地上権の目的となっている宅地
地上権の目的となっている宅地の価額は、次の方法により評価します。
自用地価額-地上権の価額(相続税法23条又は地価税法24条)=貸宅地の価額
建物所有を目的とする地上権は借地権に該当しますので、「地上権の目的となっている宅地」としてではなく、借地権の目的となっている宅地又は定期借地権等の目的となっている宅地として評価します。
3.地上権の評価方法とは
地上権(借地借家法に規定する借地権又は民法(地下又は空中の地上権)の地上権(区分地上権)に該当するものを除きます。)の価額は、その残存期間に応じて、その目的となっている土地のこれらの権利を取得した時におけるこれらの権利が設定されていない場合の時価に、次の評価割合を乗じて算出した金額により評価します。
その土地の自用地価額×法定評価割合=評価額
残存期間 | 法定評価割合 |
---|---|
10年以下 | 100分の5 |
10年超15年以下 | 100分の10 |
15年超20年以下 | 100分の20 |
20年超25年以下 | 100分の30 |
25年超30年以下及び地上権で残存期間の定めないもの | 100分の40 |
30年超35年以下 | 100分の50 |
35年超40年以下 | 100分の60 |
40年超45年以下 | 100分の70 |
45年超50年以下 | 100分の80 |
50年超 | 100分の90 |
(注)地上権には、建物の所有を目的とする地上権又は賃借権及び区分地上権は含まれません。