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宅地の評価単位

1.宅地の評価単位

宅地の価額は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地をいいます。)ごとに評価します。

ただし、贈与、遺産分割等による宅地の分割が親族間等で行われた場合において、その分割が著しく不合理であると認められるときには(「不合理分割」といいます。)、その分割前の画地を「1画地の宅地」として評価することになります。

ここでいう「利用の単位」とは、一体として利用される範囲をいい、具体的には自用の土地であれば他人の権利による制約がないのでその全体が一体として利用されますので、その自用の土地を一体とします。

例えば、所有者地震が店舗と居宅を1筆の宅地の上に所有してこれを利用している場合には、その土地は他人の権利による制約がないので一体として評価するのです。

一方、1筆の宅地に3棟の貸家があり、それぞれ貸家を賃貸している場合には、その借家人ごとにその土地の使用収益権を有することとなり、土地の所有者は借家人ごとにその権利制限を受けることとなるためそれぞれの貸家の敷地を評価単位とすることとになります。

したがって、自用の土地はその全体を利用の単位として評価し、他人の権利の存する士地については貸付先がそれぞれ異なっている場合には、利用についてもそれぞれ異なっていることから、同一人に貸し付けられている部分ごとに利用の単位とします。



2.宅地の判定例

2-1.宅地の一部に借地権を設定し、他の部分を自分が使用している場合

所有する宅地の一部について普通借地権又は定期借地権等を設定させ、他の部分を自己が使用している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とします。一部を貸家の敷地、他の部分を自己が使用している場合にも同様です。


2-2. 宅地の一部に借地権を設定し、他の部分を貸家敷地として使用している場合

所有する宅地の一部について普通借地権又は定期借地権等を設定させ、他の部分を貸家の敷地の用に供している場合には、それぞれの部分を1画地の宅地とします。



2-3.貸付先が複数である場合

普通借地権又は定期借地権等の目的となっている宅地を評価する場合において、貸付先が複数であるときには、同一人に貸し付けられている部分ごとに1画地の宅地とします。


2-4.貸家が数棟あるとき

貸家建付地を評価する場合において、貸家が数棟あるときには、原則として、各棟の敷地ごとに 1画地の宅地とします。


2-5.複数人から土地を借りて一体利用している場合

2以上の者から隣接している土地を借りて、これを一体として利用している場合には、その借主の普通借地権又は定期借地権等の評価に当たっては、その全体を 1画地として評価します。この場合、貸主側の貸宅地の評価に当たっては、各貸主の所有する部分ごとに区分して、それぞれを 1画地の宅地として評価します。


2-6.共同ビルの敷地

共同ビルの敷地の用に供されている宅地は、その全体を1画地の宅地として評価します。


3.不合理分割の場合

相続における遺産分割、贈与による宅地の分割が親族問、同族会社間等で行われ、その分割が現実の利用状況を無視した不合理な分割と認められる場合、例えば上地の分割後無道路地、帯状地又は著しく狭あいな画地となるケース、分割後の画地では現在のみならず将来においても有効な土地利用がされないケース、また建物の建築ができないケースや恣意的な評価額の引下げと認められるような分割を行ったケースなど分割後の画地が宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるようなときには、その分割前の画地を「1画地の宅地」として、評価します。

この不合理分割の取扱いは、宅地比準方式により評価する市街地農地、市街地周辺農地、市街地山林及び市街地原野及び雑種地の評価にも適用されます。

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