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小会社の株式の評価
目次
1.小会社の株式の評価
小会社とは、従業員数が100人未満の会社で次の表のいずれにも該当する会社をいいます。
業種 | 純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数 | 直前期末以前1年間における取引金額 |
---|---|---|
卸売業 | 7,000万円未満または従業員数が5人以下 | 2億円未満 |
小売・サービス業 | 4,000万円未満または従業員数が5人以下 | 6,000万円未満 |
上記以外 | 5,000万円未満または従業員数が5人以下 | 8,000万円未満 |
2.小会社の株式の評価方法とは
中小会社は、個人事業とあまり変らない規模のものがおおく、その株主構成をみると、特定の一族で株式を所有しているケースがほとんどではないでしょうか。
このような小会社の株式の所有の実態は、個人事業主が所有している事業用財産の支配関係と突質的にはあまり変わるところがないものと考えられます。
個人の事業主に相続の開始があった場合における相続財産の評価についてみると、被相続人である事業主の有する一切の事業用財産は、個々の財産ごとの評価となります。
仮に、この事業が法人組織として行われていた場合には、その事業用財産は、株式という形で相続財産となり、その株式が評価の対象となります。
実質は同じ財産でありながら、株式としての評価額と個人の事業財産としての評価額が異なることは、適正、公平な課税の観点から好ましくありません。
これらのことから、小会社の株式の評価方法は、その実態に着目し、個人事業財産の評価とのバランスをも考慮して、純資産価額方式による課税時期における 1株当たりの純資産価額(相続税評価額を基として計算した金額)によって評価することとされています。
会社の経営に参加するためにその会社の株式を取得する場合には、買手側は、株式の値上り期待といった投資的要素というよりは事業への経営参加によって期待される収益に関心が高いと考えられます。
このことからすれば、どのような会社であっても株式の価値には、その会社の資産価値に加えて何らかの形で収益性が加味されているものです。
そこで、個人事業と類似する小会社とはいえ営利を日的として機能している以上は、その株式評価に当たって何らかの形で収益性を加味することが合理的といえますので、財産価値にウエイトをおきつつ収益性の要素を反映させ得るように、納税者の選択により、Lの割合を0.50とした類似業種比準方式と純資産価額方式との併用方式によって評価することができます。
したがって、小会社の株式の価額は、次のようになります。
1株あたりの純資産価額(80%評価可)
または
類似業種比準価額×0.50+1株あたりの純資産価額(80%評価可)×(1-0.50)
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Tag: 原則的評価方式による株式評価
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