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会社規模判定要素 純資産価額など


目次

1.純資産価額とは

純資産価額とは

純資産価額とは、課税時期の直前期末における評価会社(評価する株式の発行会社をいいます。)の各資産の帳簿価額の合計額をいいます。

なお、評価会社が固定資産の償却額の計算を間接法によって表示している場合には、その帳符価額の合計額から減価償却累計額を控除すること(ただし、法人税の申告当において「減価償却超過額」があっても加算しません。)、売掛金・受取手形・貸付金等に対する貸倒引当金は控除しませんので、注意が必要です。

前払費用、繰延資産、税効果会計の適用による繰延税金資産など、確定決算上の資産として計上されている資産は、帳簿価額の合計額に含めて記載します。

収用や特定の資産の買換え等の場合において、圧縮貴重引当金勘定に繰り入れた金額及び圧縮記帳積立金として積み立てた金額、並びに翌事業年度以降に代替資産等を取得する予定であることから特別勘定に繰り入れた金額は、帳簿価額の合計額から控除しませんので、注意しましょう。


2.帳簿価額の注意点

  • この帳簿価額とは、税法上の帳簿価額ではなく確定した決算における決算書の帳簿価額をいいますので原則として、直前期末の貸借対照表の資産の部の合計金額となります。

    純資産価額方式により1株当たりの評価額を求める場合の帳簿価額は税法上の帳簿価額ですので、純資産価額方式の帳簿価額とは違います。

  • 具体的には、原則として法人税法上の別表5(1)は関係させないで計算します。
    なお、減価償却費の償却超過額などが多額の場合は、個別に検討しましょう。
  • 割引手形を資産から控除せず負債に計上するとどうなるか
    →課税上弊害がない限り各資産の確定決算上の帳簿価額とされていますので総資産価額が大きくなります。
    会社規模等の区分判定をする場合の「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」は、株式の評価額の算定に直接使用する数値ではなく、評価会社の会社規模に応じて適切な評価方式を適用できるよう、その判定基準として定められています。したがって、課税上の弊害がない限り、ある程度の簡便性に配慮することも認められると考えられることから、「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」は、各資産の確定決算上の帳簿価額の合計額によることが原則とされています。
    このため、評価会社が評価勘定を設けている場合であっても、各資産の帳簿価額の合計額から割引手形勘定の金額を控除せずに「総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」を計算することになります。
  • 減価償却費の償却不足額は控除するのか
    →確定決算を基礎とするため控除しません。
  • 決算書上の不良資産は控除するのか
    →確定決算を基礎とするため控除しません。
  • 税効果会計の繰延税金資産は控除して計算するのか
    →確定決算を基礎とするため控除しません。


3.取引金額とは

取引金額とは
課税時期の直前期末以前1年問における評価会社が目的とする事業による収入金額(売上高)をいいます。

なお、金融業・証券業については収入利息及び収入手数料を記載します。

直前期の事業年度が1年未満であるときには、課税税時期の直前期末以前1年間の実際の収入金額によることとなりますが、実際の収入金類を明確に区分することが困難な期間がある場合は、その期間の収人金額を月数あん分して求めた金額でもよいことになっています。

留意点

  • 事業年度を変更した場合の売上高の判定
    • 原則法は、直前期末以前1年間の売上高の実額を計算して求めます。
    • 按分法は、直前期末以前12ケ月以内の各決算期の売上高を月数按分して直前期末以前12ケ月分になるように計算して求めた売上高です。
  • 取引金額のうち2以上の業種がある場合は、それらの取引金額のうち最も多い取引金額に係る業種によって判定します。
  • 取引金額の具体的判定手順は、会社の売上高を日本標準産業分類の区分に応じた売上高に区分し、次に卸売業か小売・サービス業かその他の業かの3区分に分けて判定することになります。
  • 日本標準産業分類が必ず確認するようにしましょう。

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