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区分地上権に準ずる地役権の評価
目次
1.区分地上権に準ずる地役権の評価
区分地上権に準ずる地役権は、地価税法に規定されているとおり、特別高圧架空電線の架設、高圧のガスを通ずる導管の敷設、飛行場の設置、建築物の建築その他の目的のため地下又は空間について上下の範囲を定めて設定された地役権で、建造物の設置を制限するものをいい、登記の有無を問いません。
この区分地上権に準ずる地役権は、区分地上権と同じ内容(効果)をもつものであり、地役権設定にあたり支払われる補償金も区分地上権の場合と同様、承役地の価額に立体利用阻害率を基とした割合を乗じて算定されます。
このことより、この区分地上権に準ずる地役権の価額は、区分地上権と同じく、土地利用制限率を基とした割合を承役地の価額に乗じて次のとおり評価します。
なお、地役権が1画地の一部分に設定されている場合には、地役権の価額は、その地役権の設定されている部分の地積に対応する価額です。
2.原則
その区分地上権に準ずる地役権の目的となっている承役地である宅地の自用地価額に、その区分地上権に準ずる地役権の設定内容に応じた土地利用制限率を基とした割合を乗じて計算します。
自用地価額×区分地上権に準ずる地役権の割合=区分地上権に準ずる地役権の評価額
3.特例
3-1.家屋の建築が全くできない場合
- 自用地価額×50%
- 自用地価額×借地権割合
いずれか高い金額=区分地上権に準ずる地役権の評価額
地役権のうち家屋の建築が全くできない場合、最低50%で評価しますが、その土地所有者についてみれば、あたかも他人に借地権を設定させている場合と同様の利用制限を受けていると考えられることから、借地権割合を基本としてしんしゃくすることとし、「損失補償基準細則」に定める高圧線下地の減価割合などを参考に、最低でも50%のしんしゃくを行うことになっています。
3-2.家屋の構造、用途等に制限を受ける場合
自用地価額×30%=区分地上権に準ずる地役権の価額