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土地の上に存する権利の評価上の区分No.2
目次
1.借地権
相続税における借地権は、借地借家法第2条第1項に規定する「建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権」をいい、定期借地権等に該当するものを除いたものをいいます。
所得税法及び法人税法における借地権等には、建物の所有を目的とする地上権又は賃借権のほか、構築物の所有を目的とする地上権、賃借権、地役権の設定も含まれるので相続税、贈与税の財産評価通達上の借地権とはその範囲が異なります。
2.定期借地権
定期借地権等とは、借地借家法第22条から第25条までに規定する借地権をいい、具体的には次のものです。
2-1.一般定期借地権(借地借家法第22条)
存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含みます)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに買取りの請求をしないこととする旨を定めることができるものをいいます。
2-2.事業用定期借地権等(借地借家法第23条)
専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除きます。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに買取りの請求をしないこととする旨を定めることができるものをいいます。
10年以上30年未満の期間の事業用定期借地権は、
- 契約の更新の規定
- 建物の再築による期間延長の規定
- 建物買取請求権の規定等の適用
はなく、30年以上50年未満の期間の事業用定期借地権は、上記の規定等の適用がない旨を定めることができるとされ、ともに借地期間の満了により借地権が消滅します。
この事業用定期借地権等の設定契約は公正証書によらなければなりません。
2-3.建物譲渡特約付定期借地権等(借地借家法第24条)
借地権を設定する場合においては、借地権を消滅させるため、その設定後30年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めるものをいいます。
2-4.一時使用目的の借地権(借地借家法第25条)
一時使用目的の借地権とは、工事現場用の仮設建物のような臨時設備の設置に当たり一時使用の目的で短期間に限って土地を貸す場合が該当します。
客観的に一時的な使用目的でする借地は、何ら特別の手続きを取らなくても、期間や更新に関する規定の適用を受けません。