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評価の原則

相続税、贈与税の評価の原則について解説いたします。

目次

1.評価の原則

相続税又は贈与税は、相続・遺贈又は贈与を原因とした無償により取得した財産を課税対象とし、その財産の価額を基礎として課税価格を算定して、課税します。

この課税対象となる財産の価額は、相続税法において特別に評価方法が定められている財産を除けば、相続・遺贈又は贈与により取得した時における時価により算定する、いわゆる「時価評価の原則」により評価することとなります。(相続税法第22条)

相続・遺贈又は贈与による財産移転の特徴は、相続の開始という事実の発生により強制的に財産が移転することです。

贈与は、贈与者と受贈者の贈与契約により成立する諾成契約であり、片務契約です。受贈者がその行為に対して反対給付がないという点において所得移転とは異なることとなります。

このようなことから、相続・遺贈又は贈与により移転した財産の価額は、「時価評価の原則」により評価することとなります。

相続・遺贈又は贈与による財産移転は、経済取引として財産を取得するものではないので、所得課税における時価決定の論理をそのまま適用することはできません。

しかし、相続・遺贈又は贈与により取得した財産の価額は課税価格の基礎となるものですので、その価額を評価しなければなりません。

相続税法に特別の評価方法が定められている財産はその評価方法により評価することとされていますが、相続税法に評価方法が定められていない財産については、時価評価の原則によることとされており、具体的には財産評価基本通達にその評価方法が定められています。


2.「時価」とは

この時価評価の原則における「時価」とは、法令において規定されてはいませんが、一般的に客観的交換価値をいうものとされており、財産評価基本通達において「時価とは、課税時期(相続・遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続・遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう」と定義されています。

この定義の時価である財産の評価では、その財産の価額に影響を及ぼすべきすべての事情を考慮する(評基通 1(3))必要があります。

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