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たな卸資産である不動産の評価
目次
1.たな卸資産である不動産の評価
土地、家屋その他の不動産のうちたな卸資産に該当するものの財産評価は、相続税の課税価格計算においては,流動資産であるたな卸資産としての土地等とその土地等を売却した場合における譲渡代金である現預金等の評価との均衡を図る必要があることからたな卸資産として評価することになります。
例えば、宅地がたな卸資産である場合には、路線価方式又は倍率方式のどちらかにより計算して求めた価額により評価するのではなくて、その販売業者が課税時期において販売する場合の価額から、その価額のうちに含まれる販売業者に帰属すべき適正利潤の額及び課税時期後販売の時までにその販売業者がその宅地について負担すると認められる経費の額を控除した金額により評価することになります。
これは、たな卸資産である不動産は元々販売を目的とする資産であり、販売価格等が明らかになっていることからこのように評価することになっています。
このような性格を有する土地等については、相続という偶発的な事象により、かつ、被相続人の全財産を包括的に承継取得する相続の性格やそれ故に納税者の申告等の便宜を考慮して定めている路線価等に基づいて評価を行うのではなく、それぞれの取引により明らかである販売価額等に基づいて評価する方が実態に即していること、さらに流動資産であるたな卸資産たる土地等とその土地等を売却した代金である現金預貯金等の財産との評価上の権衡を図る必要があるため、路線価等に基いて評価しません。
参考
地価税における土地等の価額を評価する場合には適用しません。
これは、地価税が課税時期に個人又は法人が所有する土地等を課税対象とすることから、相続税等の場合における上記のようなたな卸資産である土地等と、それ以外の財産との評価上の権衡を図る必要がないこと、たな卸資産である土地等だけに例外的な評価方法を採用する必要性もないことなどから地価税では適用しません。
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