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破産債権の貸倒損失 固定資産等の損失
【目次】
1.破産債権の貸倒損失
得意先が破産した場合、破産法の規定には破産債権が切り捨てられるという制度がありませんから、債務者が破産宣告し、破産法に基づく破産終結決定があった場合でも、直ちには法律的に切捨て額が確定しないため、貸倒損失を計上することは認められません。
破産手続終結の場合の貸倒れについては、所得税法上明らかにされていませんが、これは破産の手続によって、債権の額が法律的に切り捨てられることにはならないからです。
破産法によれば、破産手続が終結した場合であっても、配当により弁済されなかった部分については免責許可決定によるまでは債権が消滅することはありません。
また、免責許可決定後においても、債権者が破産者の保証人や担保提供者に対して有する権利や担保については何ら影響を及ぼさないこととされています。
さらに、破産法における債権者集会が有する権限は、破産手続上の問題につき破産管財人に同意を与えること、破産の経過、計算等につき報告を受けることなどですから、法令の規定による整理手続によらない関係者の協議決定による切捨て」にも該当しないこととなります。
しかし、破産廃止の決定や破産終結の決定があった場合で、その全額の回収ができないことが明らかな場合や、債務者の債務超過状態が相当期間継続し、弁済を受けることができないと認められる部分を書面により切り捨てた場合には、貸倒損失の計上が認められるものと考えられます
破産法
(免責許可の決定の効力等)
第253条免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りではない。
一 租税等の請求権
ニ 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
口 民法第760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第766条(同法第749条、第771条及び第788条において用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第877条から第880条までの規定による扶養の義務
ホ イから二に掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
七 罰金等の請求権
2 免責許可の決定は、破産債権者が破産者の保証人その他破産者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び破産者以外の者が破産債権額のために供した担保に影響を及ぼさない。
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