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相続開始から遺産分割までの間に生じた相続財産に関する費用


目次

1.相続開始から遺産分割までの間に生じた相続財産に関する費用

相続財産とは、財産承継としての相続の客体となる被相続人に帰属していた財産全体をいい、相続財産に関する費用とは、相続開始の時から遺産分割までの間に生じた相続財産に関する費用をいいます。

つまり相続財産についての一切の管理・処分費用であり、次のようなものがあります。

  • 管理人選任費用・保存費用
  • 清算費用
  • 財産目録調整費用
  • 鑑定費用
  • 遺言執行費用
  • 訴訟費用
  • 税理上報酬
  • 固定資産税
  • 地代家賃
  • 火災保険料
  • 水道料金
  • 下水道使用料
  • 電気料金
    など(民法885)

そして、この相続財産に関する費用は、相続財産が負担することとされていますので、相続人がもともともっていた財産からは負担しないということとなっています。


2.相続税法との関係は?

相続税の課税において、相続財産に関する費用は相続開始後に発生する費用であり、相続開始時点における被相続人の債務ではありません。相続が発生したとき(被相続人が亡くなった時点)では、債務が発生しておらず、亡くなった後に発生する費用だからです。

また葬式費用にも該当しないことから、相続税の課税価格の計算上控除しないこととする次の通達があります。

「民法第885条(相続財産に関する費用)の規定により相続財産の、中.から支弁する相続財産に関する賓用は、被相続人の債務及び葬式費用には該当しないから法第13条第1項第1号(無制限納税義務者の債務控除)に掲げる債務とはならない」(相続税法基本通達13-2)

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Tag: 相続の開始

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