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医療法人の出資の評価方法
医療法人の出資の評価はどのように行うのでしょうか。このページでは医療法人の出資の評価方法について解説しています。
目次
1.医療法人の分類
医療法人は、医療法の規定により設立される法人のことをいい、
- 財団たる医療法人
- 社団たる医療法人で持分の定めのないもの
- 社団たる医療法人で持分の定めのあるもの
に分類することができます。
2.財団たる医療法人
財団たる医療法人とは、まさに財団法人であって、その財団に法人格が認められるという形式となります。
したがって、財団たる医療法人には、出資持分の概念がありません。
3.社団たる医療法人で持分の定めのないもの
社団たる医療法人で持分の定めのないものは、民法の社団法人に類似しているものであり、各社員は、その出資について何も持分権を有していません。
4.社団たる医療法人で持分の定めのあるもの
社団たる医療法人で持分の定めのあるものは、株式会社や合同会社と同様に各社員は社員権として出資に対する持分権を有しており、その持分は、通常、白由に譲渡又は質入れすることができますし、相続又は遺贈の対象にもなります。
医療法人は、剰余金を配当することができませんので、内部留保が多くなりがちですので、株価が高くなることがあります。
ポイント
医療法第54条(剰余金配当の禁止)医療法人は、剰余金の配当をしてはならない。
(逐条解説) 「剰余金の配当」とは、損益計算上の利益金を社員に対して分配することです。これを禁止することにより、医療法人はその本質上、営利法人たることを明確に否定しているものということができます。結局、医療法人は、剰余金の配当を禁止される結果、収益を生じた場合には、施設の整備・改善、法人の職員に対する給与の改善等に充てるほか、全て積立金として留保すべきこととなります。また、配当ではないが、事実上利益の分配とみなされる行為も禁止しています。