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不動産投資信託証券の評価方法
不動産投資信託証券の評価方法について解説いたします。
目次
1.不動産投資信託証券とは
不動産投資信託とは、投資法人又は投資信託委託業者等が多くの投資家から集めた資金を不動産を中心とする資産に投資して運用し、獲得した賃料等の収益を投資家に分配する投資信託をいいます。
このような投資証券は、REIT (Real Estate lnvestment Trust、リート)と呼ばれています。
また、東京証券取引所が平成13年3月に不動産投資信託証券の流通市場を開設し、上場された不動産投資信託証券は市場を通じて自由に売買できるようになりました(上場された不動産投資信託証券を上場不動産投資信託証券といいます。)。
2.評価方法
上場しているか否かにより評価方法が異なります。
2-1.上場している不動産投資信託証券
上場されている不動産投資信託証券は、上場株式と同じように、金融商品取引所において取引され、日々の取引価格及び最終価格の月平均額が公表されていますので上場株式の評価と同様に評価します。
具体的には、上場されている不動産投資信託証券の価額は、負担付贈与等により取得したものを除き、次ののうち最も低い価額によって評価します。
- 課税時期の最終価格
- 課税時期の属する月の毎日の最終価格の月平均額
- 課税時期の属する月の前月の毎日の最終価格の月平均額
- 課税時期の属する月の前々月の毎日の最終価格の月平均額
また、不動産投資信託証券には、株式に係る新株交付期待権又は配当期待権と同様に、投資口の分割等に伴う無償交付期待権又は金銭分配期待権があることから、これらの価額は、株式無償交付期待権の評価又は配当期待権の評価に準じて評価します。
2-2. 非上場の不動産投資信託証券
非上場の不動産投資信託証券の評価方法は評価通達に具体的な定めが設けられていません。
そこで、評価通達5 《評価方法の定めのない財産の評価方法》を適用して、非上場の不動産投資信託証券の形態、純資産価額金銭分配金その他の事情を考慮して個別的に評価額を算定することになります。
(参考 国税庁より)
「不動産投資信託の資産は、そのほとんどが不動産で占められており、その不動産から安定的な賃判・収入が生み出されることになる。また、その賃料収入の大半は、投資家に支払われることになっている。このような不動産投資信託の仕組みからすると、市場における取引価格がない(上場されていない)不動産投資信託証券の場合には、 純資産価値、配当利回り、キャッシユフローなどに着目して個別にその価値測定を行うことになると考えられる。
ただし、現在のところ、上場されていない不動産投資信託は、投資口のほとんどが投資法人の関係法人等に引き受けられるため、個人投資家が取引することはまずないといわれている。」
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