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貸付信託受益証券の評価方法

貸付信託受益証券の評価方法について解説いたします。

目次

1.貸付信託受益証券とは

貸付信託とは、貸付信託法に基づく信託のことで、合同指定金銭信託(信託財産の運用方法や運用対象が、信託契約によって指定されているものを指定金銭信託というのですが、このうち受託者が委託者から引き受けたその指定金銭信託の金銭をプールし、集中して合同運用を行うものをいいます)の一種といえます。

そして、貸付信託受益証券とは、その信託財産を運用することによって得られた利益を受けることができる権利(受益権)を表示した有価証券のことをいいます。

貸付信託受益証券には、信託期間が2年のものと5年のものとがあり、その募集期間は前月21日からその月5日までとその月6日からその月20日までで、それぞれの最終日(5日と20日)を設定日といいます。

募集の最低申込み単位は1万円からで、収益計算は設定日から6か月ごとの年2回行われます。

また、貸付信託は、貸付信託契約により受託者が元本を保証しており、設定日から1年以上経過した場合には、受益証券の買取り制度により買い取りが行われ、貸付信託受益証券は安定性と換金性があるとされている反面、例えば、株式などのような流通性はなく、取引市場もないために、市場価格というものはないというのが特徴です。


2.評価方法

2-1.設定日から1年以上を経過している貸付信託の受益証券

課税時期において貸付信託設定日から1年以上を経過している貸付信託の受益証券の価額は、その証券の受託者が課税時期においてその証券を買い取るとした場合における次の算式により計算した金額により評価することになっています。

算式
元本の額+既経過収益の額-(既経過収益の額につき源泉徴収される所得税額)-買取割引料

(注1)既経過収益の額は、買取日の直前の収益分配金の決算日の翌日(各月の5日と20日)から買取日の前日までの間の収益を、信託期間(2年又は5年)ごとで定めた一定の利率に基づいて計算することになっています。

(注2)買取割引料は、元本1万円当たりの金額として計算されるので、元本に対する割合で計算されることになっています。

(注3)利率及び買取割引料は、金利の変動などに伴って改定されます。


2-2.設定日から1年を経過していない貸付信託の受益証券

課税時期において、貸付信託設定日から1年を経過していない貸付信託の受益証券の価額は、上記2-1.の算式に準じて計算した金額により評価します。

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