トップ>消費税の教科書>免税店(輸出物品販売場)> 免税(輸出物品販売場)販売の対象となる免税対象物品の範囲

免税(輸出物品販売場)販売の対象となる免税対象物品の範囲

免税(輸出物品販売場)販売の対象となる免税対象物品の範囲について解説しています。

目次

1.免税(輸出物品販売場)販売の対象となる免税対象物品の範囲

免税店(輸出物品販売場)で免税販売の対象となる物品については、以前は輸出のために購入される物品のうち、通常生活の用に供される物品(食品類飲料類、たばこ、薬品類及び化粧品類並びにフイルム、電池その他の消耗品を除く。)で、その物品の購入額の合計額が1万円超の物品とされていましたが,平成26年10月1日以降、一定の要件を満たしている消耗品が免税対象物品に加えられました。

なお免税販売の対象となる物品は金額基準が設けられており事業者の事務負担への配慮や地域経済の発展等の観点から下限金額が、また大量に購入することによって日本国内での横流しを防止する観点からは上限金額があります。

これらの下限金額は、一般物品については同一の非居住者に対する同一の輸出物品販売場における1日の販売額の合計が5,000円以上(税抜価額改正前は1万円超),消耗品は5,000円以上(税抜価額改正前は5,000円超)50万円(税抜価額)までの範囲内のものとされています。

ここで注意していただきたい点があります。

一般物品と消耗品とを合算した総額が手続可能額を大きく超えても、どちらかのカテゴリーが下限額に達しなければ、その分を免税の買い物対象として算入できないことです。

金額は税抜価額で判定することに注意が必要です。

例えばおもちゃ付き菓子のように一般物品と消耗品とが一の資産を構成している場合には、その商品は消耗品に該当するものと判断いたしますので消耗品の販売として免税対象金額の判定を行います。

【事例】
同一の輸出物品販売場において、同一の日に同一の非居住者に対して販売した物品の内訳が
一般物品(民芸品)3,000円(税抜価額)
消耗品(化粧品)が5,500円(税抜価額)
である場合、一般物品については、販売価額の合計額が5千円以上でないため免税販売の対象とはなりません。

一方消耗品については販売価額の合計額が5千円以上であるため、免税販売の対象となります。

なお一般物品の機能を発揮するために通常必要な消耗品がその一般物品に付属されている場合は、1つの一般物品に該当しこの場合は一般物品として免税手続きを行います。

【免税販売の対象となる物品】
一般物品(消耗品以外のもの)
例…家電製品、カメラ・コンピュータなどの精密機器、着物・服、かばん・靴、など
手続可能額…同一の非居住者に対し、同一店舗において1日で1万1円以上。品目の点数は問わない。

・消耗品
例…食品、酒類を含む飲料、医薬品、化粧品など
手続可能額:.同一の非居住者に対し、同一店舗において1日で5千円以上50万円未満。品目の点数は問わない。

また、外国人旅行者が海外における事業用又は販売用として購入することが明らかな物品(通常生活の用に供するとは認められないもの)については、輸出物品販売場制度における免税販売の対象とはなりません。

この場合は、消費税法第7条の規定による輸出免税の手続きをする必要があります。

消費税法第7条の規定による輸出免税手続きについては下記の記事でまとめましたのでご覧ください。
輸出事業者の消費税を早く還付してもらう方法



2.免税店(輸出物品販売場)での消耗品の販売額合計が50万円を超える場合

複数の消耗品を販売した場合などにおいて、同一の非居住者に対する同一の輸出物品販売場における1日の販売額の合計が50万円を超える場合の取り扱いですが、消耗品については、同一の非居住者に対する同一の輸出物品販売場における1日の販売額の合計が5千円以上50万円までの範囲内のものに限り免税販売の対象となりますが、販売額の合計が50万円を超える場合の取扱いは、次の事例のとおりとなります。
なお、これらの金額はいずれも,税抜価額で判定します。

【事例1】
1個80万円(税抜価額)の消耗品(酒類)を販売する場合は、その消耗品の販売額が50万円を超えているため、この消耗品は免税販売の対象とはなりません。

【事例2】
1個35万円(税抜価額)の消耗品(酒類)と1個20万円(税抜価額)の消耗品(化粧品)を販売する場合はこれらの消耗品の販売額の合計額が50万円を超えているため,1個35万円の消耗品と1個20万円の消耗品のいずれか一方のみが免税対象となります。

【事例3】
1個20万円(税抜価額)の消耗品(酒類)を6個販売する場合これらの消耗品の販売額の合計額(120万円)は50万円を超えているため1個20万円の消耗品2個まで(販売額合計40万円)が免税販売の対象となります。


3.免税店(輸出物品販売上)において事業者へ販売した場合

輸出物品販売場として許可を受けている店舗から外国人旅行者のほか外国人事業者に対し免税販売することはできますか。輸出物品販売場において免税販売の対象となるのは,その購入者が通常生活の用に供する物品に限られます。

よって、外国人事業者などが事業用又は販売用として購入するものは免税販売の対象となりません。

なお、輸出物品販売場を経営する事業者が外国人事業者が指定する国に輸出する場合には、輸出物品販売場制度における免税ではなく、消費税法第7条に規定する通常の輸出免税の適用を受けることができます。この場合、輸出許可書やEMSの控えなど輸出証明書類の保存が必要となります。

消費税法第7条の規定による輸出免税手続きについては下記の記事でまとめましたのでご覧ください。
輸出事業者の消費税を早く還付してもらう方法


4.免税店(輸出物品販売場)での販売商品を国内で消費した場合

外国人旅行者が免税で購入した菓子類などの消耗品を国内で消費した場合ですが、免税で購入した消耗品について、非居住者が国内において一部でも消費した場合には、非居住者である購入者が出国する際に免税購入物品を携帯していない(輸出しない)ことになります。

このため出国時にその出港地を所轄する税関長がこの非居住者から免除された消費税額に相当する消費税を徴収することになります。

【業務に関するご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。】

03-6454-4223
電話受付時間 (日祝日は除く)
平日 9:00~21:00
土曜日9:00~18:30

チャットワークメールでのお問合せ