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免税店(輸出物品販売場)で農産物を販売する場合の注意点
免税店(輸出物品販売場)で農産物を販売する場合の注意点について解説しています。
目次
1.免税店(輸出物品販売場)で農産物を販売する場合の注意点
免税店(輸出物品販売場)で肉類、果物などの農産物をお土産品として販売する場合には、輸出検査を受けなければ日本から持ち出せません。
具体的な手続きは、観光庁から公表されている「輸出物品販売制度に係る農畜水産物をお土産として持ち出す場合のQ&A(事業者向け)」を確認するなどして適切に行いましょう。
輸出物品販売制度に係る農畜水産物をお土産として持ち出す場合のQ&A(事業者向け)はこちらをクリック
2.農産物に関する輸出検査
日本から海外に野菜や果物などの農産物を持ち出す場合の手続きについて解説いたします。
農産物を外国に持ち出す場合、持ち出し先国や持ち出す農産物の種類によって、持ち出せるものと持ち出せないものがあります。
また、持ち出すための手続きは、あらかじめ持ち出し先国が発給する許可の取得が必要なものや、日本での輸出検査が必要なものなどがあります。輸出検査は、野菜、果物、切り花、コメ、植物の種子や苗木等、多くの場合必要となります。
これには、お土産や個人消費用、免税店で購入したものも含まれます。
なお、持ち出し先国が要求する手続きについては、植物防疫所ホームページ(旅行者用簡易検索情報)で確認しましょう。
植物防疫所ホームページ(旅行者用簡易検索情報)はこちらをクリック
不明な点は最寄りの農林水産省植物防疫所に照会するか、持ち出し先国の駐日在外公館又は持ち出し先国の検疫当局に照会します。
3.免税店(輸出物品販売場)で購入した農産物の検査の方法
免税店(輸出物品販売場)で購入した農産物の日本での輸出検査の方法について解説いたします。
輸出検査の方法は出国当日に空港の植物防疫所で検査を受けることができます。また、出国日以前であっても最寄りの植物防疫所で検査を受けることができます。検査の結果、問題がない場合は、植物防疫官が植物検疫証明書を発行します。
通常、輸出検査から植物検疫証明書発給までに1~2時間程度ですが、農産物の種類によって検査にかかる時間が異なりますので、事前に植物防疫所に照会します。
4.検査対象の農産物
どのような農産物が植物防疫所の検査対象になるかというと、リンゴ、ナシ、モモ、ナガイモなどの生鮮物は、植物防疫所の輸出検査の対象となります。
それ以外にも、コメ、植物の種子、盆栽なども植物検疫の対象となります。また、これらの農産物以外であっても、相手国が植物検疫証明書の添付を要求しているものは、植物防疫所の輸出検査を受ける必要があります。
なお、ジャムやジュースなどの加工食品は、植物検疫の検査対象ではありません。
5.水産物に関する輸出検査
日本から海外に肉や肉製品等の畜産物を持ち出す場合の手続きですが、肉や肉製品等の畜産物を海外へ持ち出す場合、以下の1.2の手順で日本の輸出検疫を受け、かつ、持ち出す先の国の輸入検疫を受ける必要があります。
1. 持ち出す先の国の検疫当局又は在日大使館等に、「日本から畜産物を持ち込むことが出来るのか」、「日本から畜産物を持ち込むにはどのような手続が必要か」等、畜産物を持ち出す先の国の畜産物に対する規制について必ず確認します。
この際、一部の国・品目については、持ち込みが禁止されていること(例:日本から中国への牛肉製品)が明らかになっていますので、動物検疫所ホームページ(輸出入停止措置情報)を確認します。
2.持ち出す先の国の検疫制度を確認した後、最寄りの動物検疫所に照会します。輸出検疫の結果、問題がなければ輸出検疫証明書が発行されます。なお、免税店で購入したものも含め、お土産、個人消費用等、たとえ少量であっても、輸出検疫を受けていないものは日本から持ち出すことはできません。
ただし、個人消費用のお土産として畜産物を持ち出す場合、シンガポール及びブラジルヘは、簡便な手続きで持ち出すこともできますので、動物検疫所サイト(日本のおみやげ(肉製品))を確認します。
動物検疫所サイト(日本のおみやげ(肉製品))についてはこちらをクリック
6.動物検疫所の検査対象の畜産物
どのうな畜産物が動物検疫所の検査対象になるかというと、生肉、ソーセージ、餃子、食肉を含むインスタント食品等の肉製品をはじめ、それ以外にも骨、卵、脂肪、血液、皮、毛羽、角、蹄(ひづめ)やこれらの加工品は動物検疫所の検査対象です。
詳しくは動物検疫所のホームページ(検査が必要な物)を確認しましょう。
動物検疫所のホームページ(検査が必要な物)はこちらをクリック
また、これらの畜産物以外であっても、相手国が家畜の伝染性疾病を広げるおそれのない旨の証明を要求しているものは、動物検疫所の輸出検査を受ける必要があります。
7.水産物に関する輸出検査
日本から海外へ水産物を持ち出す場合の手続きですが、日本から海外へ水産物を持ち出すには、輸出相手国の要求に応じて水産庁や都道府県による輸出証明書の発行を受ける必要があります。
輸出相手国との協議により、輸出証明書発行手続が定められている国及び水産物は、水産庁ホームページ(水産物輸出に関する情報)に掲載があります。
水産庁ホームページ(水産物輸出に関する情報)についてはこちらをクリック
また、その他の国への水産物の持ち出しについては、あらかじめ在日大使館又は相手国の検疫当局に確認します。
8.訪日外国人への動植物検疫の説明
訪日外国人等へ農産物等(畜産物、水産物を含む。)を販売するに当たり、購入者に対して、動植物検疫について説明しなければなりません。
輸出検査が必要な農産物等を、日本での輸出検査を受けずに海外へ持ち出した場合、持ち出し先国の空港等で持ち込みが認められず、没収されることもあることから、販売する農産物等の持ち出しが可能かどうか、輸出検査が必要かどうかといった情報については、可能な限り、購入者に説明しましょう。
具体的には、次の点に留意してください。
1.輸出相手国により、日本から自国に持ち込まれる農産物等に対する規制は様々で、国によっては日本からの農産物等の持込みを禁止している場合があること。
2.日本から海外へ農産物等の持出しを希望する場合は、輸出相手国の受入条件をあらかじめ確認の上、農産物等を購入する前に動物検疫所、植物防疫所に相談すること。
3.日本から海外に肉製品等の畜産物を持ち出すには、動物検疫所で輸出検査を必ず受ける必要があること。
4.免税店で購入したものも含め、お土産、個人消費目的のもの、商品サンプル等、たとえ少量であっても、輸出検査を受けずに肉製品等の畜産物を日本から持ち出すことはできないこと。
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