トップ>消費税の教科書>免税店(輸出物品販売場)>免税店(輸出物品販売場)の運営携帯

免税店(輸出物品販売場)の運営形態

免税店(輸出物品販売場)の運営形態について解説しています。

目次

1.一般型輸出物品販売場

一般型輸出物品販売場(免税店)は、従来からある免税店の形態で、その輸出物品販売場で、その輸出物品販売場を経営する事業者が免税販売手続を行う販売場をいいます。

手続委託型輸出物品販売場という免税店と比較すれば、この一般型輸出物品販売場は自己で免税手続を行うという特徴から自己完結型の販売場と表現できます。

なお、同一の事業者であっても、異なる販売場ごとに一般型輸出物品販売場と手続委託型輸出物品販売場の許可を受けることはできますが、1か所の販売場で一般型輸出物品販売場と手続委託型輸出物品販売場の2つの許可を受けることはできません。
どちらか一方を選択する必要があります。

一般型輸出物品販売場における免税販売手続は当サイトの下記ページをご確認ください。

免税店(輸出物品販売場)での販売方法の概要についてはこちらをクリック



2.手続委託型輸出物品販売場

手続委託型輸出物品販売場は平成27年4月1日以降許可を受けることができることとなった販売場の形態です。

一般型輸出物品販売場と異なり、この販売場では商品の販売のみを行い、免税販売手続はその販売場が所在する特定商業施設内に免税手続カウンターを設置する承認免税手続事業者が行う販売場をいいます。

なお、一つの手続委託型輸出物品販売場が免税販売手続を代理させることができるのは、一つの承認免税手続事業者に限られます。

手続委託型輸出物品販売場における免税販売手続は次のような流れに沿って行われます。

【販売場において】
1. 非居住者に対し税込価額で物品を販売し、物品とレシートを非居住者に手交します。また、フロアマップ等を活用して、免税手続カウンターを案内します。

【免税手続カウンターにおいて】
2.旅券等により非居住者であることの確認を行うとともに.非居住者が免税手続カウンターにおいて提示する物品と「免税販売手続の代理に関する契約」を締結している手続委託型輸出物品販売場において販売された物品とが同一であることを確認します。
3.手続委託型輸出物品販売場ごとに購入記録票及び購入者誓約書を作成します。
4.非居住者が署名した購入者誓約書の提出を受けます。
5.購入記録票をその非居住者の旅券等へ貼付し、割印をします。
6.購入物品が消耗品である場合には、指定された方法により包装し、引渡します。
7.免税販売手続を行った物品に係る消費税相当額をその非居住者へ返金します。なお、返金した消費税相当額は後日、販売場と精算します。

平成32年(2020 年)4月1日から、免税販売手続が電子化されます。免税販売手続の電子化後は、承認免税手続事業者が行う免税販売手続が変わります。なお、平成32年(2020 年)4月1日から平成33年(2021年)9月30日までの間は、 経過措置として現在の免税販売手続によることができることとされています。



商店街に所在する大規模小売店舗内の販売場

商店街に所在するショッピングセンター等の大規模小売店内で販売場を経営する事業者が商店街振興組合等の組合員でない場合でも手続委託型輸出物品販売場として許可を受けることができます。

平成28年度税制改正により「商店街の地区等に所在する大規模小売店舗内の販売場に係る特例」が設けられました。

具体的には、商店街の地区等に所在するショッピングセンター等の大規模小売店舗を設置している者が商店街振興組合又は事業協同組合の組合員である場合には、その大規模小売店舗内で販売場を経営する他の事業者は、その販売場を商店街の地区等に所在する販売場とみなして、手続委託型輸出物品販売場の許可を受けることができます。

この許可を受けるためには、「輸出物品販売場許可申請害(手続委託型用)」に所定の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に申請することになります。



一般型輸出物品販売場から手続委託型輸出物品販売場への変更

一般型輸出物品販売場としての許可を受けている販売場から手続委託型輸出物品販売場に変更したい場合について解説いたします。

一般型輸出物品販売場として許可を受けている販売場を手続委託型輸出物品販売場に変更する場合には、改めて手続委託型輸出物品販売場としての許可を受ける必要があります。

なお、一か所の販売場においては、一般型輸出物品販売場又は手続委託型輸出物品販売場のいずれかの許可しか受けることができないため、一般型輸出物品販売場として許可を受けている販売場が手続委託型輸出物品販売場の許可を受けた場合、一般型輸出物品販売場の許可の効力は失われます。

また、手続委託型輸出物品販売場から一般型輸出物品販売場に変更する場合も同様に、一般型輸出物品販売場の許可を受けた場合、手続委託型輸出物品販売場の許可の効力は失われることになります。


3.承認免税手続事業者

承認免税手続事業者は、商店街、ショッピングセンター、テナントビルなどの特定商業施設内に所在する手続委託型輸出物品販売場の免税販売手続の代理を行う事業者をいいます。

また、他の事業者が経営する手続委託型輸出物品販売場における免税販売手続の代理をする承認免税手続事業者が、その代理を行うための施設設備を「免税手続カウンター」といいます。

なお、免税手続カウンターにおいて承認免税手続事業者が行う免税販売手続は次の1.から7.までとなります。

1.免税販売手続を行う相手が非居住者であることを旅券等で確認
2.その非居住者が免税手続カウンターにおいて提示する物品と手続委託型輸出物品販売場において販売された物品とが同一であることを確認
3.手続委託型輸出物品販売場ごとに購入記録票を作成(注l)
4.購入者誓約書(その非居住者が署名したもの)の提出を受ける(注l)
5.購入記録票をその非居住者の旅券等へ貼付及び割印
6.購入物品が消耗品である場合には、指定された方法により包装
7.上記1.から6.の免税販売手続後免税販売手続を行った物品に係る消費税相当額をその非居住者へ返金

(注1)一つの特定商業施設内に所在する複数の手続委託型輸出物品販売場の免税販売手続を代理する場合、免税手続カウンターにおいて販売場ごとに「購入記録票」を作成する必要があります。また、非居住者から提出を受ける「購入者誓約書」についても同様に販売場ごとに作成する必要があります。

(注2)同一の手続委託型輸出物品販売場において、同一の非居住者に対して1日に販売する一般物品の販売価額(税抜)の合計額が100万円を超える場合には、承認免税手続事業者が免税手続カウンターにおいて非居住者から旅券等の写しの提出を受け、手続委託型輸出物品販売場がその旅券等の写しを保存します。



一般型輸出物品販売場と承認免税手続事業者の兼務

一般型輸出物品販売場を経営する事業者が、この販売場で承認免税手続事業者となって他の手続委託型輸出物品販売場の免税販売手続の代理を行うことはできるかどうかですが、この場合は代理を行うことができます。

なお、免税販売手続の代理を行う手続委託型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額とその一般型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額を合算して、免税販売の対象となる下限額(一般物品:5千円、消耗品:5千円)以上であるかどうかを判定することができます。



税込表示のレシートの写しの購入記録票等への貼付

免税手続カウンターでの購入記録票等の作成に当たり、手続委託型輸出物品販売場において交付されるレシートの写しを購入記録票等に貼り付けて割印することで、購入記録票等に記載することとされている品名、数量、品名ごとの単価(税抜)、販売価額(税抜)及び販売価額(税抜)の合計額の記載に代えようとする場合で、手続委託型輸出物品販売場において交付されるレシートは、品名ごとの単価、販売価額及び販売価額の合計額が消費税込みで表示されているときについて解説いたします。

免税手続カウンターにおいて免税販売手続を行った物品につき、手続委託型輸出物品販売場において売上計上するのは、非居住者に対する販売価額(税抜)となりますので、購入記録票等に記載する品名ごとの単価、販売価額及び販売価額の合計額は消費税抜きの金額となります。

手続委託型輸出物品販売場で発行されるレシートを購入記録票等に貼り付けることで購入記録票の記載に代えることとする場合であっても、そのレシートに表示されている品名ごとの単価、販売価額及び販売価額の合計額が消費税込みの金額となっている場合には、免税手続カウンターにおいて、購入記録票等や当該レシートの写しに、品名ごとの単価、販売価額及び販売価額の合計額を消費税抜きの金額で記載(訂正又は補記)する必要があります。

ただし、免税手続カウンター等におけるシステム対応等が図られるまでの当面の間については、一般物品と消耗品それぞれの販売価額(税抜)の合計額のみを免税手続カウンターで記載し、品名ごとの単価及び販売価額については消費税抜きの金額を記載しないこととしても差し支えありません。



免税販売手続に関する記録の保存

承認免税手続事業者は、免税販売手続の代理を行う手続委託型輸出物品販売場ごとに、免税販売手続に関し作成した記録を保存しなければなりません。具体的にはどのような記録をどれくらいの期間保存する必要があるのかについて解説いたします。

承認免税手続事業者は、手続委託型輸出物品販売場ごとに購入記録票等の作成を行いますから、その作成の基礎となるような次の事項を記録して事後においても確認できるようにしておく必要があります。

・免税販売手続を行った物品の単価(税抜)、販売価額(税抜)、販売価額(税抜)の合計額

・他の手続委託型輸出物品販売場の販売価額(税抜)の合計額と合算して免税販売の対象となる下限額を判定した場合には、合算により免税販売の対象となったこと

具体的には、承認免税手続事業者において、手続委託型輸出物品販売場ごとに、

1. 免税販売手続を行った日、
2. その際の販売価額(税抜)、
3. 3.他の手続委託型輸出物品販売場の販売価額(税抜)と合算して免税販売の対象となった場合にはその状況(例えば帳簿等の備考欄にA店舗とB店舗分を合算など)を記載した帳簿等を作成して、免税販売手続を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、承認免税手続事業者の納税地又は特定商業施設内に設置する免税手続カウンターの所在地に保存しなければなりません。

なお、免税販売手続の際に作成した購入者誓約書には、上記の1.から3.までを確認することができる記載がされていますので、上記の帳簿等に代えて、購入者誓約書の写しの保存とすることもできます。



免税手続きカウンターにおける手続き等の特例

手続委託型輸出物品販売場制度において、その物品の販売価額(税抜)の合計額が免税販売の対象となる下限額以上であるかどうかの判定についてですが、一つの特定商業施設内の複数の手続委託型輸出物品販売場(その特定商業施設内において承認免税手続事業者が経営する一般型輸出物品販売場のうち、免税手続カウンターを設置している一般型輸出物品販売場を含みます。)において、同一の日に同一の非居住者に対して譲渡する一般物品の販売価額(税抜)の合計額と消耗品の販売価額(税抜)の合計額について、その免税販売手続を代理する一つの承認免税手続事業者がそれぞれの販売価額(税抜)の合計額を一般物品と消耗品の別に合算して、免税販売の対象となる下限額の判定(一般物品5千円以上、消耗品5千円以上かどうかの判定)を行うことができます。

なお、その免税手続カウンターで免税販売手続を行う物品のすべてについて、必ず合算して免税販売の対象となる下限額以上であるかどうかの判定を行わなければならないということではありません。



免税手続きカウンターを設置している一般型輸出物品販売場における手続きの特例

一般型輸出物品販売場を経営する事業者が、その販売場で承認免税手続事業者(免税手続カウンター)として他の手続委託型輸出物品販売場の免税販売手続も代理している場合、この一般型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額と他の手続委託型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額とを合算して、その物品が免税販売の対象となる下限額を超えるかどうかの判定を行うことはできるかどうかについて解説いたします。

一つの承認免税手続事業者が、免税販売手続を代理する複数の手続委託型輸出物品販売場における一般物品の販売価額(税抜)の合計額と消耗品の販売価額(税抜)の合計額を一般物品と消耗品の別にそれぞれ合算している場合には、その合算後の額により免税販売の対象となる下限額(一般物品5千円、消耗品5千円)以上であるかどうかの判定を行うことができます。

この場合の手続委託型輸出物品販売場には、その特定商業施設内において承認免税手続事業者が経営する一般型輸出物品販売場のうち、免税手続カウンターを設置している一般型輸出物品販売場を含むとされています。

免税手続カウンターを設置している一般型輸出物品販売場と他の手続委託型輸出物品販売場で販売する物品について、一般物品の販売価額(税抜)の合計額と消耗品の販売価額(税抜)の合計額をそれぞれ合計している場合には、その合算後の額により免税販売の対象となる下限額以上であるかどうかの判定を行うことができます。


免税手続カウンターにおける消耗品の上限額の判定

複数の手続委託型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額を合算して免税販売の対象となる下限額以上であるかどうかの判定を行った結果、消耗品の販売価額(税抜)の合計額の合算後の額が50万円を超えることとなった場合についてですが、免税手続カウンターにおける手続き等の特例(合算による下限額の判定)と異なり、消耗品の上限額の判定である消耗品の販売価額(税抜)の合計額が免税販売の対象となる50万円までの範囲内であるかどうかについては、それぞれの手続委託型輸出物品販売場における消耗品の販売価額(税抜)の合計額により判定します。

それぞれの手続委託型輸出物品販売場における販売価額(税抜)の合計額が50万円までの範囲内であれば、免税対象となります。



複数の手続委託型輸出物品販売場における一般物品の合算金額が100万円を超える場合

複数の手続委託型輸出物品販売場で販売した一般物品の販売価額(税抜)の合計額を合算した結果、同一の日における同一の非居住者に対する一般物品の販売価額(税抜)の合計額の合算後の額が100万円を超えた場合、免税手続カウンターにおける手続き等の特例(合算による下限額の判定)と異なり、一般物品の販売価額(税抜)の合計額が100万円を超えるかどうかについては、それぞれの手続委託型輸出物品販売場における一般物品の販売価額(税抜)の合計額により判定することになります。

それぞれの手続委託型輸出物品販売場における販売価額(税抜)の合計額が100万円を超えていない場合には、手続委託型輸出物品販売場を経営する事業者において旅券等の写しを保存する必要はありません。

なお、それぞれの手続委託型輸出物品販売場における販売価額(税抜)の合計額が100万円を超えている場合、承認免税手続事業者が免税手続カウンターにおいて旅券等の写しの提出を受け、手続委託型輸出物品販売場がその旅券等の写しを保存します。



合算する場合の購入記録票等の記載事項

複数の手続委託型輸出物品販売場で販売した物品について、免税手続カウンターにおいて一般物品と消耗品とに区分してそれぞれの販売価額(税抜)の合計額を合算する場合には、購入記録票及び購入者誓約書にその複数の手続委託型輸出物品販売場における購入の事実を付記することとされています。

このため、複数の手続委託型輸出物品販売場で販売した物品の販売価額(税抜)の合計額を合算する場合には、それぞれの手続委託型輸出物品販売場の購入記録票等には、各販売場において販売した物品に係る品名ごとの単価(税抜)、販売価額(税抜)や販売価額(税抜)の合計額に加え、複数の手続委託型輸出物品販売場で販売した物品の合算後の額の記載(一般物品と消耗品とに区分して記載)が必要です。

【業務に関するご相談がございましたら、お気軽にご連絡ください。】

03-6454-4223
電話受付時間 (日祝日は除く)
平日 9:00~21:00
土曜日9:00~18:30

チャットワークメールでのお問合せ