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社長と会社間の金銭貸借 給料と退職金などによる節税


【目次】

1.社長と会社間の金銭貸借

1人会社や家族だけで仕事をしている同族会社ではよくあるのですが、会社の資金繰りが苦しいときに、社長が会社にお金を貸し付けることがあります。

逆に役員に対して会社が金銭を融通するということもあります。

この場合も利息を付けるなど、一定の要件を満たさなければ、思わぬ税金を支払うことになるので注意が必要です。

2.役員への金銭貸付

住宅を取得する、あるいは子どもの学資にあてたいなどの理由で、会社が役員に金銭を融通する場合もあるでしょう。

この場合、無利子、または極端に低利で金銭を貸し付けた場合には、世間相場との差額は役員報酬とみなされ、役員本人には、所得税が余計にかかってくることになります。

したがって役員への貸付は、必ずその利息をとるようにしなければなりません。

税法で定められている利率は、4.3%以上か次のいずれかです。

①会社が金融機関などから借り入れて役員に融資した場合…その利率以上(会社が金融機関から借入可能であればこちらが有利)

②そのほかの場合…前年11月の日銀基準割引率+4%以上

3.役員から金銭を借りるとき

逆に、会社が役員からお金を借りることもあるでしょう。このとき会社が利息を支払わなかったらどうでしょうか。

この場合、会社が利息を支払わなくても不利になることはありません。

したがって税制上はとくに問題にはなりません。

しかし、適正な利息分を支払えば、それを会社の損金にすることができますが、役員には所得税がかかります。

ここでいう適正な利息分とは、次のいずれかです。
①役員が金融機関などから借り入れて会社に融資した場合…その利率未満
②そのほかの場合…前年11月の日銀基準割引率+4%未満

公定歩合+4%を超えると、超えた部分が役員給与とみなされ、所得税の課税対象になるので、注意してください。

会社に貸し付けるときに、社長が銀行から借り入れている場合は、借り入れ金利以下が適正な金利となります。借り入れ金利を超えた部分が役員給与とみなされます。

オーナー社長の場合、増資して配当金のアップを考えているのであれば、会社に貸し付けたほうが節税効果があります。

自身は配当金の代わりに利息を受け取ることができますし、会社は支払った利子分を損金にすることができるわけです。

4. 役員と会社の貸し借りには貸借契約書を作成する

社長などの役員が会社から金銭を借りる場合は、取締役としての地位を利用して会社との間で有利な取引をし、会社に不利益をもたらすおそれがあるので、商法で取締役会の承認が義務つけられています。

役員が会社から金銭を借りるにあたっては、会社と役員の間で金銭消費貸借契約書をつくり、そこに金額、利息、返済条件などを明記したうえで、取締役会議事録をつくっておく必要があります。

この場合も、無利子や極端に低い利息であれば、通常の金利との差額分は役員給与とみなされ、借りた役員には所得税がかかってきます。貸付金利は、前年の11月30日時点の公定歩合+4%です。なお、貸付金を会社がほかから借り入れたときは、その借り入れ金利となります。

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14-09-24 借用書

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