役員報酬を変更するときの手続き 給料と退職金などによる節税
【目次】
1.役員報酬は定時株主総会で決定する
役員報酬は、株主総会で決定しなければなりません。
この場合、定款などにあらかじめ役員報酬の支給限度枠を記載しておくことをおすすめしています。
この限度枠はある程度余裕をもって決めておきます。
というのも、役員賞与を支給する代わりに報酬を高くしたいと考えても、余裕がなければ、その枠をアップする手続きから始めなければならないからです。
また、限度枠内での配分は、取締役会に一任するという一文を入れておくと、変更したいときにスピーディに対応できます。
そのほか使用人兼務役員の使用人部分は、役員報酬に含まないという一文も記載
するようにしておきましょう。
このようにしておくと、限度枠の全部が役員報酬として使えるからです。
役員報酬は定期同額給与として位置づけられ、変更は原則として年1回の株主総会の決議などによります。
そのため、変更は期首から3か月以内を原則としていますが、業績不振、昇格などによる増額も特例として認められています。
それ以外は差額が損金不算入となりますので、注意してください。
2.増額分の給与は損金不算入
定期同額給与とみなされなければ、全額を損金とすることができないのでしょうか。
たとえば、 3月期決算の会社で、月額100万円の役員給与だったのが、 5月の定時株主総会で翌月から110万円に給与が改定され、 10月の臨時株主総会でさらに翌11月から130万円に改定されたとしましょう。
6月から支給された役員給与110万円については定期同額給与とされますが、11月から支給された給与130万円は定期同額給与とされません。
定期同額給与とされないと、その事業年度に支払われる役員給与がすべて損金にできないわけではありません。
実際は、定期同額給与とされる110万円よりも多い「20万円」部分についてだけ、定期同額給与にあたらないとされます。
したがって、20万円に支給された月数を掛けた分が損金算入できなくなります。
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