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貿易取引における外国為替のしくみについて

外国為替のしくみについて解説いたします。

目次

1.外国為替のしくみ

貿易とは異国間の商取引のことをいいます。ですから、外国為替の理解はとても重要となります。

外国為替とは、遠隔地にいる買主と売主が、その貸し借りの関係を、金融機関を通じて決済するしくみのことです。

金融機関では、手形や小切手などの信用手段を使って決済するので、実際に現金を輸送する必要はありません。

例えば、日本の会社がアメリカの会社から商品を輸入した場合、日本の会社は商品代金の100万円をアメリカの会社に支払わなければなりません。

そこで日本の会社は日本の銀行に100万円を支払い、アメリカの銀行を通じてアメリカの会社への支払いを依頼することになります。

こうした方法を取ることにより、日本の会社は、直接現金を動かすことなく安全に代金を支払うことができるのです。

「外国為替」にはもうひとつの意味があります。
外国との取引において代金決済をする場合、支払い条件が日本円以外であれば、円を相手国の通貨に交換しなければいけません。

しかし、通貨によって、その価値はまちまちですから、異なる通貨同士を交換する場合、一定のレート(交換比率)が決められています。「外国為替」という言葉は、このレートを意味することもあります。


2.円高・円安と為替リスク

為替リスクとは、日本円以外で代金決済をした際に、為替相場の変動から発生する損失のことを言います。

例えば、輸入契約がドル建ての場合、ある商品を輸入するとき、契約時には1ドル=90円だったとします。ところが決済時には、円安に振れて105円になりました。こうなると、1ドル当たり15円の損失が生じることになります。
逆に、たまたま円高になって得をする場合もあるでしょうが、いずれにせよ、見込みで動くことにはリスクがあります。そこで先物為替予約などのリスクヘッジという考え方があります。

リスクヘッジとは、リスクを避ける(減らす)ことですが、リスクヘッジがなぜ必要なのでしょうか。

それは、為替の変動が、その企業や組織の業績に直接影響を与えるからです。
さきほどの例では15円の損失となりましたが、企業が輸出入をする場合、輸出入の額は膨大ですから、わずか数円の値動きで何億円以下もの損失が発生することもあり得ます。

あまりに損失額が大きければ、企業の存続に関わるかもしれません。したがって、為替の変動で大きな損失を被らないように、リスクを最小限に食い止める措置が必要となるわけです。


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