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貿易に関わる人たち-輸出者、税関、乙仲などの解説
貿易に関わる人たちについて解説いたします。
目次
1.貿易業(輸出・輸入)で貿易に関わる人たち
貿易取引の当事者は、商品の売り手(輸出者)と買い手(輸入者)です。貿易は、輸出者、輸入者がいなければ成立しません。直接貿易では、輸出入をするメーカーや生産者が当事者になります。
2.貿易業(輸出・輸入)での銀行の役割
しかし、この両者だけで貿易はできません。そこで、輸出者・輸入者の間で大切な役割を果たすのが、「銀行」です。荷為替手形の決済などは、銀行が重要な役割を果たします。
主な銀行の役割は次のとおりです。
●商品代金の決済:商品代金の送金や立て替え払い、手形の取り立てなど。
●信用状の発行:商品代金の支払いを保証。
●外国為替業務:外国為替を決済。
3.貿易業(輸出・輸入)での保険会社の役割
保険会社は、貿易に伴うさまざまなリスクを補償します。おもな保険は次のとおりです。
●貨物海上保険:輸送中の事故などによるリスクを補償。
●PL保険(生産物賠償責任保険):製品の欠陥による事故の訴訟リスクを補償。
●貿易保険:相手の不払いや内乱などによるリスクを補償。貿易保険は独立行政法人の日本貿易保険や民間保険会社が引き受けます。
4.貿易業(輸出・輸入)での運送会社の役割
お金がうまく回っても、肝心の商品が動かなければ意味がありません。そこで必要になるのが運送会社です。運送会社には、トラックの運送会社だけでなく、船会社、航空会社も含まれます。特に四方を海に囲まれている日本では、このどちらかを使わない限り、貿易そのものが成り立ちません。
海上輸送、航空輸送、陸上輸送などそれぞれに専門の業者がいて、商品内容や目的地によって使い分けます。各種の輸送を一貫して引き受ける「複合運送人」という業者もいます。
4-1.貿易業(輸出・輸入)での海上輸送業者とは
自ら船を用意して輸送を引き受ける船会社のことです。貨物の内容に合わせて、コンテナ船やタンカーなど、さまざまな種類の船を使い分けます。
4-2.貿易業(輸出・輸入)での航空輸送業者とは
航空会社の輸送業務を代行する航空貨物代理店や混載業者が輸送を引き受けます。航空会社が直接、集荷をすることはありません。
島国日本の貿易は海上輸送が主流です。特に石油などの資源は、ほとんど船で輸送されます。ただし電子機器など付加価値の高いものを中心に、航空輸送も増えています。
混載業者は、多くの荷主から集めた貨物を大口にまとめて航空会社に輸送を依頼します。運賃単価は小口より大口のほうが.安いので、通常より割安な料金で利用できます。
5.貿易業(輸出・輸入)での税関の役割
税関は関税を徴収し、貿易取引に間違いがないかを見張る番人のような存在です。おもな仕事は次のとおりです。
・関税や消費税の徴収
・輸出入貨物の通関手続き
・密輸の取り締まり
税関は国の行政機関であり全国には次の9つの税関があります。
函館税関、東京税関、横浜税関、名古屋税関、大阪税関、神戸税関、門司税関、長崎税関、沖縄地区税関の9つとなります。
6.貿易業(輸出・輸入)での通関業者の役割
税関への輸出入貨物の申告手続きを通関業務といいます。この通関業務を代行するのが通関業者です。輸出入申告の代行をはじめ、通関書類の作成などを行います。
7.貿易業(輸出・輸入)での乙仲業者の役割
輸出入に関するほとんどの業務を引き受けるのが、「乙仲」(おつなか)と呼ばれる海貨業者です。もともと港での荷役や運送を行う業者ですが、その多くは通関手続きの代行や貨物の管理なども行っており、輸出入の業務をまとめて頼める便利な存在です。
おもな仕事は次のとおりです。
・船積み、荷受けなどの手続き
・船荷の上げ下ろし
・税関への輸出入貨物の申告手続き
・輸出入貨物の配送、管理
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