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CIF契約で輸出する商品の消費税輸出免税の適用

CIF契約で輸出する商品の消費税輸出免税の適用について解説いたします。

目次

1.CIF契約で輸出する商品の消費税輸出免税の適用について

CIF契約で販売契約をし、輸送中の商品が滅失し、再度商品を輸送した場合には、2回分の輸出許可証が手元に残ります。この場合、2回分輸出免税の適用を受けることができるのでしょうか。

参考
CIF (Cost, Insurance and Freight):運賃・保険料込み条件。売主は積み地の港で本船に荷物を積み込むまでの費用、海上運賃及び保険料を負担し、それ以降のリスクは買主が負担します。

国外の事業者に、商品の引渡し場所を外国の荷揚地渡し、つまり、CIF契約で販売する契約を締結し、売却した商品には日本の会社が海上運送保険をかけるとします。

この場合、CIF契約においても、商品代又は保険により回収が確実となる積出港の船積み時点で売上を計上し、その時点で輸出免税の適用を受ける経理処理を行うとします。

輸送中の商品が滅失する海難事故が発生し、国外事業者に対しては改めて輸出の許可を受けて商品を再輸送し、その代金は国外事業者から受け取ります。また、海難事故にあった商品の代金相当額は保険会社から国内の会社が支払を受けます。

その場合、2回分の輸出許可書が残りますが、双方とも輸出免税にすることはできるのでしょうか。

CIF契約での輸出取引における運送中の滅失事故は、商品の引渡し前の事故で資産の譲渡等は行われていません。したがって、継続的に船積み時に売上計上を行っている場合でも、その事故に対する保険金の受領は課税資産の讓渡等の対価に該当せず、その部分の売上の減額処理が必要です。

商品を輸出する場合の輸出免税の規定は、国内において行う課税資産の讓渡等のうち本邦からの輸出として行われるものについて適用されます。商品の讓渡時期は、商品の引渡しがいつ行われたかにより判定され、引渡しの日がいつであるかは、その商品の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡を行ったこととしている日によるものとされています。

CIF契約は、商品の引渡しは輸入港の荷揚地とする取引条件での売買契約であり、運送中の危険負担は売主に帰属することとなりますから、仕向地での陸揚げの時に商品の引渡しが行われています。

ただし、CIF契約でも、海難事故等が発生した場合の商品代金相当額は保険会社又は船会社から支払われ、また、貨物の輸出申告の通関手続は船積み前に行われることなどからみて、FOB契約と同様に船積み時を棚卸資産の引渡しの日とすることは合理的ではないとはいえず、事業者が継続して船積みの日をもって輸出免税の適用日としている場合には、その処理も考えられます。

船積みした商品が海難事故にあって保険会社から商品代金相当額が支払われた場合、商品の引渡しが未了のCIF契約では、自己の商品の損害について保険金が支払われることになり、その保険金の受領は不課税の収入に該当します。

つまり、CIF契約に該当する一連の取引においては、海難事故が発生した当初の輸出は、本来商品の引渡しが行われていませんから、船積み時に売上を計上する処理を行う場合でも、当初の売上を取り消し、改めて代替品の輸出について売上を計上する処理を行う必要があり、輸出免税の適用も代替品の輸出について適用することになります。

当初の売上の取消しは海難事故が発生した課税期間において行いますので、通常、同一の課税期間において輸出免税売上の取消しと代替品の輸出免税売上が発生し、課税売上割合の計算では影響を受けません。

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