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相続時精算課税の適用があった場合の相続税の課税対象


【目次】

1.相続時精算課税の適用があった場合の相続税の課税対象

相続人の生前において財産の贈与を受け、その贈与について相続時精算課税の適用を受けた場合、その贈与者(以下「特定贈与者」といいます。)について相続の開始があったときには、その生前贈与を受けた人がその特定贈与者の死亡に係る相続に際して相続又は遺贈によって全く財産を取得していない場合にでも、その相続時精算課税の適用を受けた年以後の各年においてその特定贈与者から贈与によって取得した財産のその取得時の価額の合計額が、その相続に係る相続税の課税価格計算の基礎に算入されて相続税の課税の対象とされます。

暦年贈与の場合ですと、その贈与をした人の死亡に係る相続に際して相続または遺贈によって全く財産を取得していない場合、相続税の課税価格計算の基礎に算入されません。つまり、相続税の課税対象ではないのです。

平成15年度の税制改正により、相続時精算課税の制度が新たに設けられましたが、この制度は平成15年1月1日以後における一定の贈与について納税者が相続時精算課税の制度の適用を選択した場合には、その贈与(以下「特定贈与」といいます。)については、各年毎に課される通常の贈与に係る贈与税に代えて、その特定贈与により取得した財産のその取得の時における財産の価額の合計額から2,500万円(その特定贈与の価額が2,500万円に満たない金額である場合には、その満たない金額。この控除のことを「相続時精算課税に係る贈与税の特別控除」といいます。)を控除した残額に対して一律20%の税率による贈与税を支払い、相続時にその特定贈与により取得した財産の価額と相続又は遺贈によって取得した財産の価額との合計額を相続税の課税価格として計算した相続税額から、既に支払った相続時精算課税に係る贈与税額を控除した額をもって、その納付すべき相続税額とする制度です。

そして、この場合に相続税額から控除しきれない、いわゆる控除不足の贈与税額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができることとされています。

ですから、特定贈与者に相続の開始があった場合には、相続時精算課税の適用を選択した受贈者がその相続に際して相続又は遺贈によって財産を取得していない場合においても、その特定贈与者から取得した財産については、相続税の課税価格計算の基礎に算入して相続時精算課税の対象とされますので、相続税について申告をする必要があることになります。

なお、最初に相続時精算課税の適用を選択した年の翌年以後にその特定贈与者から財産の特定贈与を受けた場合には、その特定贈与に係る財産についても相続時精算課税の対象とされます。

したがって、この場合には、当該各年における特定贈与に係る贈与税は、当該各年において特定贈与により取得した財産の価額印寺価)から前年以前において控除し切れなかった相続時精算課税に係る贈与税の特別控除の控除不足額を控除し九残額に対して20%の税率による贈与税が、他の通常の贈与に係る贈与税とは別に課税されます。

そして、当該特定贈与に係る財産の価額も、上記により特定贈与者の相続に係る相続税の課税価格計算の基礎に算入して相続時精算課税の対象とされ、各年において課された特定贈与に係る贈与税の合計額が、当該相続に係る納付すべき相続税額の計算上控除の対象とされます。

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