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法人成りをすると生命保険の保険料を経費にできる


生命保険は事業所得の経費とはみなされません。一方、会社は条件により、これを経費にできます。

【目次】

1.個人事業主の生命保険の取り扱い

事業の先行きに不安があったり、いざというときに家族を守るために、死亡保障を中心とした生命保険に加入されている個人事業主の方は多いと考えられます。

しかし、個人事業主に対する保険で、その保険金の受取人が親族の場合、残念ながらいくら支払っていても保険料は経費になりません。

たとえ、それが事業の借入金の残債を将来的にまかなうためだとか、跡継ぎを少しでも楽にしたいからだとかいうような、大義があったとしても経費になりません。

つまり、親族を受取人にする場合は、プライベートな支出として生命保険に入ることになるのです。

税法では、個人事業主の生命保険料は、最高4万円(個人年金保険料などと合わせると最高で12万円)の生命保険料控除という所得控除しかないため、節税メリットのないコストなのです。

また、万が一のとき、生命保険の死亡保障金は、相続税の課税の対象となりますから、入口も出口も慎重に判断しないと、後で思わぬ誤算を生むことになってしまいます。


2.法人では生命保険が経費になる

法人成りした場合、社長に対する保険は、契約者と受取人の両方を会社として生命保険に加入していれば、保険の種類によってはその全額を経費として扱うことができます。

最近では、生命保険会社がさまざまな商品を用意しています。

保険料の全額を必要経費に算入することで利益の繰延をしておいて、解約したときには支払った保険料の90%以上が解約返戻金として戻ってくるようなタイプのものに加入すると財務体質強化を高く見込めます。

ただし、掛け捨て保険であっても、長期平準定期保険や逓増定期保険などの保険商品のなかには、保険期間の前半で解約すると解約返戻金の金額があまりに多すぎるとして、一部を資産計上しなければならないものもあるので、注意が必要です。


3.死亡保険金や解約返戻金は収入計上する

支払った保険料を必要経費として処理した場合、戻ってきた解約返戻金や死亡保険金は会社の収入として計上しなければいけません。

その分にかかる法人税は、もちろん支払う必要があります。これを、「課税の繰り延べ」といいます。

死亡保険金が支払われるということは、経営者に万が一のことがあった場合ですから、受け取った保険金は、そのまま死亡退職金として遺族に支給するようにします。そうすると、プラスマイナスゼロとなるので、会社は法人税を支払う必要がありません。


4.役員退職金に生命保険を利用する

会社が契約する生命保険は、役員の死亡に備えるためだけとはかぎりません。

役員が定年退職する年にあわせて満期が訪れるように保険の設定をしておけば、役員退職金の原資にあてることも可能です。

また、掛け捨て保険に加入して、保険料は会社の必要経費として節税しながら、経営者自ら引退を考える年にあわせて、解約返戻金の金額が大きくなるように保険の設計をする…ということも会社であれば可能なのです。

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