貸家の評価
目次
1.貸家の評価
借家権の目的となっている家屋の価額は、家屋又は附属設備の価額からその家屋又は附属設備に借家権割合を乗じた金額を控除した金額です。
算式
家屋の評価額×(1−借家権割合×賃貸割合)=評価額
賃貸割合は、次の算式により計算した割合です。
家屋のうち賃借している各独立部分の床面積の合計÷その家屋の各独立部分の床面積の合計
2.抵当権の設定されている家屋等の評価
抵当権が設定されている家屋等は、抵当権が設定されていないものとした場合と同一の価額で評価します。
抵当権は、債務者又は物上保証人が債務の担保に供した不動産等を担保提供者 の使用収益に任せておきながら、債務不履行の場合に目的物の価額から優先弁済を受けることを内容とする物権であり、債務の弁済により消滅し、また、目的物の処分についても何ら制限を加えるものではありませんので、抵当権 が設定されていることによる価値の低下はありません。
さらに、債務者が自己の債務の担保のため所有する不動産に抵当権を設定させてぃる場合は、債務は別途債務控除として相続財産の価額から控除することができます。
また、他人の債務のために抵当権が設定された財産であっても、抵当権が実行されるか否かが不確実であるほか、抵当権が実行されたとしても、債務者に対する求償権が発生しますから、評価上は特別なしんしゃくを行う必要はありません。
なお、課税時期において債務者が弁済不能の状態にあるため、抵当権が実行されることが確実であり、債務者に求償しても弁済を受ける見込みがない場合に限り、債務者の返済不能と認められる部分の金額を抵当権が設定されている不動産の価額から控除して評価ができます。