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青色申告の「記帳」と「帳簿備え付け」義務 法人の設立による節税


【目次】

1.記帳の原則

青色申告者に対しては、正規の簿記に従い、整然と公明正大に、かつ明瞭に記録し、その記録にもとづいて決算することが義務づけられます。

正規の簿記とは、借方、貸方の両面から記録する複式簿記を意味します。

事業をされている人の中には簿記は苦手だから、手続きが煩雑な青色申告まで行う必要はなく、白色でかまわないという人がいるかもしれませんが、白色でも会社であれば年度を終えたら総会を開催し、出資者に決算内容を報告しなければならないのですから、正式な会計計算にもとづき、決算書を作成することは不可欠です。

複式簿記は避けては通れません。

2.帳簿書類の種類

もうひとつ青色申告者に課せられる義務に帳簿書類の備付けがあります。

もっとも基本となる帳簿は現金出納帳ですが、総勘定元帳、仕訳帳は最低限備える必要があります。

そのほか必要に応じて預金帳、売掛帳、買掛帳、固定資産台帳などの帳簿を備えるようにします。固定資産台帳は、税理士や会計士などの会計事務所に依頼している場合には、その会計事務所で作成されていることがほとんどだと思います。

また決算書などの書類、取引の存在を証明する領収書や請求書、納品書、契約書なども保存しなければなりません。なお、パソコンなどで記帳しているときには、税務署に電子データによる保存の届出(帳簿、書類の2種類があり用紙は税務署でもらえますし、国税庁のサイトからPDFをダウンロードすることもできます。) をしておくと、帳簿や決算書類をCDなどに保存できます。

データの検索性や操作がわかるマニュアルを備えるなどの要件がありますが、記帳の効率化や省スペース化に貢献します。添付書類や提出期限などはとくにありませんが、切替えは年度のあたまからとなっているので、早めに届けておく必要があります。

3.主な帳簿書類一覧

名称内容保存期間
仕訳帳すべての取引を日付順に記録するもの10年
総勘定元帳すべての取引を勘定別、日付順に記録するもの10年
現金出納帳現金の出入を記録する帳簿。もっとも基本的なものです10年
預金帳当座預金の管理や複数の預金口座がある場合などに備えるものです10年
手形帳手形の振出し、受取りがある場合に備えるもの。手形番号や支払日などを記録しておくものです10年
売掛帳売掛を管理する目的で備えるものです10年
得意先元帳得意先ごとに売掛を管理する目的で備えるもの。売上、売掛金の残高、入金状況などがわかるもの10年
買掛帳買掛を管理する目的で備えるものです10年
仕入先元帳仕入先ごとに買掛を管理する目的で備えるもの。仕入、買掛金の残高、支払状況などがわかるものです10年
商品有高帳商品の在庫を管理する目的で備えるものです10年
固定資産台帳固定資産の名称、その耐用年数、償却方法、取得日、償却額などを管理する目的で備えるものです10年
貸借対照表期末の時点での会社の資産、負債、純資産の状況をまとめたものです10年
損益計算書1年間の営業成果をまとめたものです10年
株主資本等変動計算書期中の株主資本の変動を記載したものです10年
個別注記表計算書類本体の内容を補足すべき事項をまとめて記載したものです10年
棚卸表期末の棚卸資産の種類、数量、単価、金額を記載です10年
現金、預金関係領収書、小切手控、預金通帳、借用書などです10年
有価証券関係有価証券受渡計算書、社債申込書などです10年
契約など契約書、見積書、請求書などです5年
棚卸資産関係納品書、送り状、貨物受領証、入出庫報告書、検収書などです5年

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