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貿易代金決済の種類のうちネッティングの特徴
貿易代金決済の種類のうちネッティングの特徴について解説いたします。
目次
1.ネッティングとは
ネッテイングとは、企業の間で一定期間に行われた輸出入の貸し借りを相殺し、差額だけを決済する方法をいいます。実際の取引金額を小さくすることで、為替手数料や為替リスクを減らすことができます。国内の本社と海外支社間など、特定の会社との間で繰り返し輸出入を行っている時に便利な方法です。
ネッテイング決済を行うには、相手国の国内法がネッテイング決済を許可している必要があります。日本を含め外国為替が自由化されている諸国間ではネッテイング決済は普及していますが、相殺決済には制限が課せられている国もありますので、留意しましょう。
2.ネッティングの種類
ネッテイングは、当事者の数によって次の2つに分けられます。
1.バイラテラル・ネッティング
バイラテラル・ネッティングとは2者の間で行われるネッテイングのことです。たとえば一定期間内に、B社がA社に80万ドルの原材料を輸出し、A社から200万ドルの製品を輸入したとします。その場合、B社はA社に差額の1200万ドルのみを支払うことになります。
2.マルチラテラル・ネッティング
マルチラテラル・ネッティング3者以上の間で行われるネッテイングのことです。おもに複数の海外支社や現地法人を持つ企業グループ間の決済に使われます。ネッティングセンターを設け、各拠点との間で相殺決済を行うのが一般的ですが、複数の支社・本社間で相殺決済を行う方法もあります。
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Tag: 貿易取引の代金決済