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信用状にディスクレパンシーが発生した場合の対応

信用状にディスクレパンシーが発生した場合の対応について解説いたします。

目次



1.ディスクレパンシーとは

信用状ではどんなミスも許されず、信用状の内容が船積み書類と違う場合「ディスクレがある」といいます。ディスクレとは、ディスクレパンシーの略で、、信用状と船積み書類の内容が一致していないことです。

売り手は信用状の内容に従って船積み書類を作りますが、時としてディスクレが発生してしまいます。たとえば、単純な書類のタイプミスもデイスクレとなります。

信用状統一規則では書類文面上の厳格一致を原則としていますので、単純なタイプミスや船荷証券の軽微なリマークなどもすべてデイスクレの対象と成り得ますので、書類作成には細心の注意が必要です。

ディスクレがあると信用状の代金支払い保証の働きが消えてしまいます。売り手は、銀行に信用状と船積み書類を含む荷為替手形を出して買い取りを依頼するわけですが、デイスクレがあると銀行は代金を支払ってくれないのです。

そうした場合の対処法は、次のとおりです。



2.ディスクレの対処法

1.信用状のアメンド
信用状に間違いがあったら、内容を訂正します。信用状の訂正を「アメンド」といいます。

●どんな方法か:信用状の発行依頼人である買い手に、信用状の訂正を依頼する。
●ポイント:依頼人と発行銀行(ある場合は確認銀行も)の合意でアメンドができる。
●注意点:依頼人や銀行とのやりとりに時間がかかってしまう。

2.L/Gネゴ(ネゴシエーシヨン)
デイスクレがわずかで時間に余裕がない場合、内容を訂正しないままで売り手が保証状(L/G)を提出し、買い手と交渉(ネゴ)をするやり方です。

●どんな方法か:売り手が買取銀行に保証状を出して、買い取ってもらう。
●ポイント:保証状は、不払いなどの問題が起きた場合、売り手がすべての責任を認める内容。
●注意点:発行銀行が買い取りを拒否したら、売り手は代金を買取銀行に返さなければならない。

3.ケーブルネゴ

デイスクレが重大な場合、買取銀行は電信(ケーブル)でデイスクレの内容を発行銀行に知らせ、買い取りをするかどうか問い合わせを行います。

●どんな方法か:買取銀行は発行銀行の承諾を得たうえで買い取る。
●ポイント:発行銀行が認めれば、アメンドと同じ効力がある。
●注意点:売り手の信用に不安があると、買い取りは行われず「取り立て」扱いになる。


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