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預り金・仮受金(あずかりきん・かりうけきん)


【目次】

預り金:従業員や取引先から一時的に預かっているお金です。
仮受金:お金は入金されたが、まだ使い道(取引の内容)が不明なものです。

科目の内容

「預り金」とは、役員、従業員、取引先などから一時的に預かっている金銭のうち、短期的に返還されるものを表す勘定科目です。

具体的には、

  1. 税務署等に納付するために給料などから差し引いて預かるもの(源泉所得税、住民税、社会保険料の預り金)、
  2. 通常の取引に関連して預かるもの(預り保証金など)
  3. その他(役員や従業員の社内預金、身元保証金など)の預り金
    などです。

「仮受金」とは、現金や小切手などによる金銭の入金があったが、相手勘定が不明な場合、または相手勘定をわかっているが最終的な金額が未確定な場合に、その入金を一時的に処理しておく勘定科目を言います。

仕訳例

預かっている金額を支払った場合には「預り金」を借方に、預かった場合には「預り金」を貸方に記入します。

通訳に源泉所得税を差し引いて、現金で報酬を支払った。
(借方)支払報酬   100,000円/(貸方)現金  89,790円
(借方)    /(貸方)預り金 10,210円

仮受金が振り替えられた場合には「仮受金」を借方に、仮受した場合には「仮受金」を貸方に記入します。

内容不明の入金があったので、仮受金として処理した。
(借方)普通預金  100,000円/(貸方)仮受金  100,000円

預り金と仮受金

「預り金」と「仮受金」は、どちらも一時的に現金などの受入が行われた際に使用する勘定科目です。しかし、両者の性質は異なります。

「預り金」は従業員などから一時的に金銭等を預かり、後日、その者または第三者に預かっていた金額を返還することを予定しています。

内容や金額を未確定な収入を一時的に「仮受金」として処理します。内容や金額が確定した都度、「仮受金」は正しい勘定科目に振り替えられます。

「仮受金」と似た勘定科目に、「未決算勘定」があります。「未決算勘定」は「仮受金」と異なり、現金の受入がなく、かつ相手勘定が不明な場合や金額が未確定な場合に、一時的に処理する勘定科目です。

税務上の留意点

本来、長期に預かるはずでない、役員や従業員など源泉所得税や住民税などへの「預り金」は、長期間にわたる場合は、その内容を分析して内容を明らかにする必要があります。

決算時には、できるだけ「仮受金」を精算し、本来の勘定科目で処理するようにしてください。銀行から融資を受ける際にも仮受金が多額にあるような場合、不審がられるでしょう。

源泉所得税は原則毎月納付する必要があります。試算表の預り金残高を確認し、毎月10日までに納め忘れのないようにしましょう。

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