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貿易取引におけるインコタームズ(INCOTERMS)とは

貿易取引におけるインコタームズ(INCOTERMS)について解説いたします。

目次



1.貿易取引におけるインコタームズ(INCOTERMS)とは

貿易条件のトラブルがそれほど多くないのは、インコタームズが世界中に広がっているからだといわれています。

取引条件の中でも重要なのが、商品を運ぶ費用やリスクなどの負担を決める貿易条件です。インコタームズとはその貿易条件を定めた国際ルールのことをいいます。

貿易取引では相手国が遠く離れているため、商品が損傷するリスクが高くなり、輸送にも多くの費用がかかります。

そのため売り手と買い手の間では
「もし商品が傷んだら、どちらが責任を取るのか」
「運送や通関、貨物の保険にかかる費用をどちらが払うのか」といったことが大きな問題になります。

そうした問題を解決するために作られたのが、貿易条件の国際的なルール「インコタームズ」です。

インコタームズは法律ではないので強制力はないのですが、世界中のほとんどの貿易取引で使われています。貿易条件の実質的な統一ルールといえます。


2.インターコムズの決まり

インコタームズでは、おもに次の3つが決められています。

●輸送にかかる費用は、売り手と買い手でどう分担するのか。
●商品の保険料は売り手と買い手のどちらが負担するのか。
●商品に関するリスク負担は、どこで売り手から買い手に移るのか。

またインコタームズが実際の取引に合わない場合は、売り手と買い手が合意すれば部分的に変えることができます。


3.インコタームズ2010の11規則

インコタームズはほぼ10年ごとに改定されており、最新のものはインコタームズ2010です。インコタームズ2010の11規則があり、2つのクラスに分類されています。

クラスlの7規則は、商品の引渡場所を場所(Place)で規定する規則で、コンテナ輸送による陸・海・複合一貫輸送や航空輸送などすべての輸送モードに対応しています。

クラス2の4規則は、商品の引渡場所を港(Port)で規定する規則で、海上または内陸水路輸送を行う船舶輸送にのみ対応しています。


4.インコタームズと売買契約

インコタームズは、国際条約ではないので強制力はなく、売買契約の当事者がインコタームズの採用の合意をすることによって、契約の取引条件として効力を発揮するものです。

インコタームズを契約に採用する場合は、「INCOTERMS2010」の文言を契約書の価格の建値として記載しておきます。

インコタームズは危険と費用分担は規定していますが、契約全体を示しているわけではなく、所有権の移転についても触れていません。売買契約全体については、ICCモデル国際売買契約などを活用することが考えられます。

売主の義務
A1売主の一般的義務
A2許可、認可、安全確認およびその他の手続き
A3運送および保険契約
A4引渡し
A5危険の移転
A6費用の分担
A7買主への通知
A8引渡書類
A9検査一包装一荷印
A10情報提供による助力および関連費用

買主の義務
B1買主の一般的義務
B2許可、認可、安全確認およびその他の手続き
B3運送および保険契約
B4引渡しの受取り
B5危険の移転
B6費用の分担
B7売主への通知
B8引渡の証拠
B9物品の検査
B10情報提供による助力および関連費用



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