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貿易の市場調査-輸出、輸入、市場調査方法について

貿易の市場調査について解説いたします。

目次

1.貿易の市場調査

貿易の市場調査とは、その国で何が売れるか調べることといえます。輸入だと国内の市場を、輸出だと海外の市場を調査します。

商品を選ぶときには、単に「何となく売れそうだから」ではなく、その国のニーズ(需要)をしっかり探ることから始めなければいけません。ニーズがあるのに、市場に出回っていないものを選ぶことが、成功のポイントだからです。

この場合、重要なのは「自分の得意な分野」で考えることです。自分の専門分野や好きな世界であれば、ニーズや顧客の気持ちがわかりやすいでしょう。


2.輸入の市場調査

海外から商品を輸入する時は、国内市場の調査をします。基本的には国産品の市場調査と同じで、次のようなことを調べます。

「いま国内市場で何が求められているか」
「商品の市場規模はどれくらいか」
「競合商品の状況はどうか」
「売れる価格はどれくらいか」

さらに法規制などをチェックをして輸入する商品を決め、販売方法や流通経路を考えます。

輸入の商品選びで重視すべき点は、大きく分けて3つあります。

ひとつめは、希少性・新奇性です。外国ではヒットしているのに日本ではまだ流通していない商品や、趣味の世界など特定のニッチマーケットに向けた商品などが、これに当てはまります。

2つめは、独自性です。その国固有の文化から生まれた商品がこれに当てはまります。また、特許や意匠など知的財産権がからんだ商品もこれに含まれます。

3つめは低価格です。輸入国と日本との間の物価や人件費の差を利用し、安く提供できる商品です。

この場合、目新しさはあまり関係ありません。すでに国内にあるものの、前述のような事情で圧倒的に安い価格で提供できる商品は、輸入商品として有効です。


3.輸出の市場調査

輸出の市場調査は、商品が受け入れられそうな相手国を探すことから始まります。相手国のめぼしがついたら、その国と商品について調べます。市場調査の結果、輸出するメリットがあるようなら、取引相手の企業を探すことになります。

輸出の基本は海外企業への売り込みです。

そのため、その商品が日本以外で需要があるかどうかが最初のポイントになります。

輸入と異なるのは、商品を受け入れてくれる国を世界中の国々から探さなければならないという点です。

取引したい国をある程度決めたら、その国の気候や風土、習慣などに商品が合うかどうかを探っていきます。

その国に商品が合うと判断できたら、次は具体的なマーケティングに入りましょう。


マーケティングに必要な4つのP

輸出は、単発の取引では採算割れを起こすことが多いです。

そのためにも、できるだけ長期的に取引できる相手を選ばなければいけません。マーケティングではその点を十分考慮してください。

マーケティングには4つの大事な要素があります。
①製品(Product)……どのような製品を選ぶか
②価格(Price)……いくらで売るのか
③販売促進(Promotion)……どのような販促をするか
④流通(PIace)……どのような販売ルートで商品を流すか

これらは、4つのキーワードの頭文字をとって、よく4Pと言われます。



4.情報の収集方法

貿易の市場調査をするには国内外の正確な情報が必要です。そのための情報源には、次のようなものがあります。

1.貿易振興組織
●ジェトロ(日本貿易振興機構):貿易の発展を目指して作られた独立行政法人
●ミプロ(財団法人対日貿易投資交流促進協会):日本への輸入の促進などを進めるNPO
●その他、商工会議所、中小企業基盤整備機構、経済団体など

2.インターネット:各国の企業.製品情報のサイトなど。
3.国内外の専門誌や業界誌
4.商社、調査会社など

商社に海外市場の現状や将来性を調べてもらうのも一つの方法です。世界中にネットワークを持ち現地の事情に詳しい商社には、情報通としての機能があります。
ただし、商社の活用は取引を前提としたものになります。

直接貿易を狙うのであれば、コンサルティング会社の利用、ジェトロや相手国の在日大使館などの機関への照会、その商品の業界紙やインターネットなど広告媒体を通じて検索するなどの方法が考えられます。ジェトロには世界各国の会社概要が記載されたダイレクトリー(企業便覧)もあり、取り扱い品目なども検索できます。自社の能力や商品の特性などを考慮して効率のよい方法を選択します。


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