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試算表の作成


【目次】

1.試算表を作成する場合の確認事項

①減価償却費は月割で概算計上しているか

②支払の確定している賞与は概算計上しているか

③退職金がある場合、受給申告書を保存しているか

④月末未払費用で損益に大きな影響のあるものを未払計上しているか
(社会保険料・家賃など前年対比にも大きく影響するもの)

⑤前期末未払金の翌月の処理は適正か

⑥前月対比を確認、科目の不揃いがないか、あるべき経費が抜けてないか

⑦前年対比を確認、極端に差異のある科目はないか(その理由の把握など)

⑧原価率に異常はないか(理論在庫の使用の検討など)

⑨税込処理の消費税額は把握できているか

⑩予定納税等支払の確定している税金が適時に支払われているか

⑪訪問時に現状の試算表に現れない変動要因を常に聞き取っているか

⑫経営者の求める試算表は何か、その内容に則しているか

1-1.月次試算表の作成目的

月次決算とは、帳簿処理により、収益と費用の計上を正確に行い、経過勘定を適正な期間配分に従って、月次試算表を毎月作成することをいい、月次決算によって月次試算表を作成する目的は以下通りとなります。

①黒字、赤字の要因を勘定科目により、その状況を明確に把握することで、問題点の発見や改善に迅速に対応できる。

②経営計画書と比較することで、達成度把握、異常値の確認ができる。

③毎月の帳簿整理により、経理処理の誤りを早期に発見でき、決算の手続きが容易になる。

④資金、利益、投資等の予測計算が容易になる。

⑤金融機関等から資料の提出を求められても直ぐに対応できる。


1-2.月次試算表の平準化

月次の試算表を作成する場合、次の要素を織り込むことでより均質な試算表の作成が可能となります。

①賞与、減価償却費など毎期固定的に発生する費用は、年額をあらかじめ見積り、等分して月次決算で計上する。

②実地棚卸を行い月次の在庫を計上する。

③経過勘定経費(長期火災保険料、保証料等)を計上する。

④未払費用(月末銀行休日の場合の社会保険料や電話料等)を計上する。


1-3.月次試算表作成上の留意点

月次試算表は、翌月以降の経営判断に生かしていくためにも、「正確さよりもまずはスピードを優先」し、翌月10日前後までに完成させることが重要です。

月次の試算表を早期に完成させるために、心掛けるべき要素は次の通りです。

①その日のうちに処理する。
②現金は日々照合する。
③当座預金や普通預金もこまめに記帳する。
④経過勘定(仮払金・仮受金等)はできるだけ使わず、迅速に整理する。
⑤残高内訳を補助科目コードで管理する。(預金、保険未収金、買掛金、借入金、預り金等)
⑥消費税のチェック(課税・非課税・課税対象外の区分)。
⑦月割経費(賞与・減価償却費)見積計上する。
⑧請求が遅れる場合、見積計上する。

〔結論〕
決算は日常の会計処理の延長、試算表の累計≒決算となるはずです。
12 ヵ月の試算表≠決算とならないように、月次試算表の精度を上げましょう。

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