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アパート取得により融資を受けるために付保された生命保険の保険料 個人事業の必要経費を利用した節税
【目次】
1.アパート取得により融資を受けるために付保された生命保険の保険料
不動産所得の金額の計算上必要経費に算入されるものは、その基因となる不動産貸付業務の遂行上必要なものでなければなりません。
この場合、次の要件をいずれも満たしているときは、生命保険契約に係る保険料の支払は、業務の遂行上必要なものであると考えられます。
- 生命保険契約は、融資を受ける条件として締結されたものであること。
- 保険金は、債権者を受取人としていること等により、保険金が債務の弁済に充てられていることが担保されていること。
したがって、保険金の全額を債権者である銀行が受け取ることとされておりり、かつ、生命保険契約がアパートの取得資金の借入れのための担保として締結されたものであることが明らかである場合には、その契約に係る保険料は借入金利息と同様に事業の遂行上必要な費用と考えられますから、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することになります。
ただし、新たに不動産所得を生ずべき業務を開始することになる場合には、使用開始の日までの期間に対応する部分の金額は、建物の取得金額に算入することとなります。
2.不動産所得の必要経費に算入できない場合
例えば新たな賃貸用アパートを取得するために甲銀行から長期融資を受けることとし、借入者が生命保険に加入することを条件としている場合で、この生命保険契約は、いわゆる掛捨ての保険で、借入者が保険契約者、被保険者及び保険金受取人となり、保険事故が発生した場合は、その保険金の一部(債務残高)が甲銀行に支払われるように質権の設定が行われており、保険証書は甲銀行が預かることとしているというような場合、この生命保険契約は融資を受けるためのものとされていますが、保険金受取人が甲銀行となっていないことから、個人のための生命保険契約であって、甲銀行が質権を設定することにより、二次的に担保提供という効果を有するにすぎないものですので、生命保険料控除の対象とすべき保険料であって、不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできません。
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