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物・権利の収入、自家消費について 個人事業の売上・仕入関係を利用した節税


【目次】

1.物・権利の収入

事業所得の収入金額には、金銭による収入だけでなく、金銭以外の物や権利その他経済的な利益で収入した場合のその物や権利その他経済的な利益の価額も含めることになっています。

例えば、物品販売業を営んでおり、得意先から50万円の売上代金の代わりとして時価50万円の中古自動車を譲り受けたような場合、商品の販売の対価として、たまたま金銭の代わりに中古の自動車を受け取ったということになります。

したがって、50万円の商品の対価として中古の自動車を受け取ったわけですから、受け取った自動車の時価50万円を事業所得の総収入金額に算入しなくてはなりません。

なお、その自動車を事業用に使用する場合は、減価償却費を必要経費に計上することになりますが、減価償却費の計算の基礎となるその自動車の取得価額は50万円となります。

また、中古の減価償却資産を取得した場合の減価償却費の計算に当たっては、残存耐用年数を見積もる必要があります

2.自家消費について

事業用の棚卸資産を家事に消費したり、知人に贈与したときは、その商品の通常の販売価額を売上代金として事業所得の総収入金額に計上しなければなりません。

しかし、その商品の仕入価額以上の金額をもって備付帳簿に売上計上している場合で、その計上金額が、その商品の通常の販売価額の70%相当額以上の金額であれば、上記にかかわらずその金額が認められることになっています。

例えば、家電製品小売業を営んでいる者が、商品を自家用に消費したり、結婚祝などで知人に贈与する場合、その商品の通常の販売価額の70%相当額か又はその商品の仕入価額のいずれか高い金額を備付帳簿に記載し、売上げに計上しておく必要があります。

3.大工の自家消費の場合

大工、左官、クリーニング業者、理髪業者等が自己又は扶養親族等に提供した用役は、上記の販売を目的とする棚卸資産とは異なるので、自家消費の総収入金額算入の規定の適用はありません。

例えば、工務店を経営している事業者が息子夫婦と同居することになり、新しく「離れの部屋」を増築し、完成までに約2か月かかったような場合で、その建築のための日当や使用した材料代等が問題となります。

この場合、日当相当額は、事業所得の金額の計算上総収入金額に算入しません。

しかし、棚卸資産である材料は、その消費をした時における時価に相当する金額を事業所得の総収入金額に算入しなければなりません。

しかし、自家消費した材料について、その取得価額以上の金額をもって備付帳簿に売上計上している場合で、その計上金額が、通常取引される価額の70%相当額以上の金額であれば、上記にかかわらずその金額が認められることになっています。

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