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使用人兼務役員の使用人分賞与は損金となる 給料と退職金などによる節税
【目次】
1.使用人兼務役員とは
使用人兼務役員とは、会社の役員で、部長や課長といった使用人としての職制上の地位があり、実際にその職務に従事している者のことをいいます。
使用人兼務役員の場合、毎月支払われる給与(使用人部分)+役員報酬はもちろん損金になりますが、その使用人部分に対して支払われた賞与も損金になります。
つまり、使用人兼務役員として認められると、賞与が損金になるため会社の節税という面ではかなり有利に節税を図ることができます。
そのため、これまでしばしば租税回避行為に利用されてきたという経緯があるようで、税務署もかなりシビアに調査するようにしているようです。
2.使用人兼務役員の要件
使用人兼務役員として認められるには、以下のような要件を満たす必要があります。
①代表取締役、専務取締役、常務取締役、監査役でないこと、つまり、平取締役であること
②職制としての部長や課長、そのほか会社の従業員であること
③その職務をきちんと遂行していること、つまり、名目だけの幽霊社員でないこと
また同族会社であっても、次に述べる要件を満たせば使用人兼務役員と認められます。
①持株割合(出資比率)が10%以下のグループに属していること
②個人単位での持株の割合が5%以下であること
持株割合が10%超のグループに属していたり、個人単位での持株割合が5%超の場合には、使用人兼務役員になることができず、役員とされてしまいます。
とりわけ注意していただきたいのが、役員の肩書です。
対外的な受けを考慮し常務取締役などとすると、使用人兼務役員とは認め
られないこともあります。名より実をとることも節税面では大切です。
3.使用人兼務役員の賞与を損金とするにはどうすればよいか
使用人兼務役員であれば無条件にその賞与が損金になるわけではありません。
損金として認めてもらうには、次のような要件を満たす必要があります。
①その部分が従業員賞与として処理されていること
②ほかの従業員と同じ日に支給されていること
③その額が社会通念上妥当な額であること…たとえば、ほかの従業員と比べて著しく高い賞与を支払っていないこと
なおこの場合の損金算入額は、いわゆる足切りという方法で行われます。
つまり、使用人兼務役員(部長)が200万円の賞与を支給されたとします。このときほかの部長が160万円を支給されたとすると、損金になるのは160万円のみで、差額の40万円は損金に算入しない扱いとなります。
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